子育てや子どもへの指導をするのに「ほめる」コトが大切だと良く言われます。
そんなことは常識的な大人であれば誰もが知ってるんですよね・・・。
でも「なかなか上手にほめれない」と悩みませんか?
- 何をほめていいのか分からない
- ほめる前についつい怒ってしまう
- ほめ言葉が単調でわざとらしくなってしまう
など、ほめたくてもほめられず悩む方を対象に、子育てで「ほめ上手」になるためのコツとポイントについて挙げてみました。
主には以下のことをポイントとしてお伝えします。
- ほめるための評価基準をグンと下げる
- 日常の何気ない場面でほめる
- 「アイメッセージ」をほめ言葉として使う
これらのことをヒントにして「ほめ上手」への第一歩を踏み出し下さい。
目次
子どもの成長に「ほめる」ことが大切な理由
知っている方も多いかと思いますが、子どもの成長に「ほめる」ことが大切と言われる理由について触れておきます。
これは子どもに限った話ではなく
このことは、教育心理学で有名な「マズローの欲求階層説」からも分かります。
「自尊感情」とは以下のような感情のことを言います。
- 自分に価値を感じる感情
- 自分に自信を持たせる感情
- 自分を大切に思う感情
ほめらると誰でも嬉しくなります。
特に子どもは、嬉しさに加えて自分に自信を持つようになる…つまり「自尊感情」が芽生えてきます。
そして「自尊感情」が芽生えてくると
という感情が湧きあがってきます。
そのきっかけになる第一歩が「ほめられること」なのです。
特に自分をコントロールするのが難しく、誘惑や感情の波に流され易い子どもたちにとって、この「自尊感情」の芽生えが「前向きに生きるエネルギー」になります。
子どもを成長させる「ほめ方」のコツ
「ほめること」が子どもの成長に必要なことが理解できたとしても
という方のために、「ほめ方」になるたのコツをいくつか紹介します。
参考にして「ほめ上手」になってください。
- ほめるための「評価基準」を下げる
- 日常の「何気ない場面」でほめる
- 「アイメッセージ」をほめ言葉として使う
- 逃したくない「ほめるタイミング」
ほめるための「評価基準」を下げる
なかなか自分の子どもをほめられない方によるある悩みが
というのがあります。
そんな方にひとつコツを紹介します。
子どもをたくさんほめることができる「ほめ上手」になるためには
「ほめる」と言うのは簡単ですが、行動に移すのは難しいです。
- 何をやってもできない
- やろうとしない
- 一度できてもまたできなくなる
そんなコトの繰り返しで、何をほめたらいいのか分からない・・・そんな方は「自分の評価基準が高すぎる」と考えてみましょう。
大人目線で「できるできない」を判断するからほめるところが無いのです。
我が子が生まれたばかりの頃は、泣くことと寝ることしかできなかったはずです。
生まればかりのころと比較すれば、我が子ができるようになっているコトなんて「あふれるくらいにある」と思いませんか?
いえいえいえいえ、アタリマエのことでいいのです。
あたりまえのことであっても「ほめてもらった」という事実が大切なのですよ。
アタリマエのことであっても、「ほめてもらった」というコトは、子どもにとってやる気スイッチを入れるための「エネルギー」になるのです。
日常の「何気ない場面」でほめる
みなさんはいつ子どもをほめますか?
今までできなかったことが 「できるようになった瞬間」 を探そうとしていませんか?
それではなかなかほめられません。ずっと子どもを監視していないとほめるチャンスは訪れません。
そんなにムリですよね。
たくさん子どもをほめられる「ほめ上手」になるためには
例えば、このような「いつもできているコト」もほめてあげてください。
- いつものように、はしを正しく使えたとき
- いつものように、「ありがとう」が言えたとき
- いつものように、返事ができたとき
- いつものように、こぼさずにコップで飲めたとき
- いつものように、テレビに近づかずに視聴できているとき
それ以前に、以下のような大人目線でみると「価値になっていない」ことでもほめてあげてください。
- 意味も無くニコニコしている時
- ただただ元気な時
- ひとりで下手な歌をうたっている時
- 機嫌良く下手な絵を描いている時
- オモチャで不器用に遊んでいる時
- 靴を履くなど、できないことに挑戦しようとしている時
大人の価値基準で判断すると「ヘタクソ」であっても
とほめてあげると良いでしょう。
それだけで子どもの心の中は「自尊感情」にあふれます。そして満面の笑みで得意げに歌をうい続けることでしょう。
そんな瞬間を毎日たくさん作ってあげましょう。
信じられないかもしれませんが、大人だったら
と思うようなところでも、子どもは
となるのです。
その積み重ねが子どもに自信を持たせ、なんでもできるような気になります。そして、出来ないこともチャレンジしようとする強い心が芽生えてくるのです。
「アイメッセージ」をほめ言葉として使う
みなさんは「アイメッセージ」をご存知ですか?
主語を自分にして相手に伝えるメッセージを「アイメッセージ」と言います。
そしてこの「アイメッセージ」の中でも
「肯定的なアイメッセージ」は、ほめるのと同じくらいに相手の自尊感情を高める威力があります。
アイメッセージをシッカリ使うことも、「ほめ上手」になるための有効な「ほめ方」のひとつです。
ちなみに、自尊感情を高められる「アイメッセージ」としては以下のような言葉が挙げられます。
- うれしい
- おいしい
- びっくりした!(良い意味で)
- 好きだよ
- 助かるわ
- きもちいい
例えば子どもがグチャグチャの絵を書いてきて
と手渡してきたら
とアイメッセージで返事をします。
「上手だね」というほめ言葉はありませんが、子どもの感情の中で絵を書くことへのモチベーションが高まり、また絵を描いてきます。
その繰り返しが、確実に子どもを成長させます。
絶対に逃したくない「ほめるタイミング3つ」
子どもをほめるのに本来はタイミングも何もないのですが、絶対に逃したくないタイミングはあります。
「効果」を意識した時に絶対に逃したくない、と私が考える「絶対にほめるべきタイミング」は以下の3つです。
- 子供が前向きに取り組んでいる時
- 子供が悩んでいる時
- コトの終わりや締め括り
子どもが前向きに取り組んでいる時
子どもが前向きに取り組んでいる時は「伸びる時」です。
考えて工夫もするし、集中力もあるので作業量もグンと多くなります。
たとえ下手でも、周りを汚してしまっていても、片付けが大変になったとしても絶対にほめておくべきです。
「ほめ言葉」は子どものやる気を持続させる「燃料」です。
燃えてるときにドンドン燃料を投下して、ドンドン燃えさせましょう。
子供が悩んでいる時
子どもが悩んでいる時、まずはその悩みに共感することが大切です。
一緒に考え、時にはアドバイスもします。
できれば、誘導的な質問をして望ましい答えを子供の口から発言させます。
そうすることで、子供の力で解決方法を見出しているかのように演出することができるし、子どもの発言を拾ってほめてあげることができます。
あなたは友達の気持ちを考えてあげられるんだね。そうやって自分で考えることってとても大切な事なんだよ。かしこいね。
あと、かなしい気持ちの友達に「だいじょうぶ?」って声をかけてあげようと思ったよね?それってあなたがやさいしい気持ちの持ち主だからだよ。ほんとにあなたはやさしいしかしこいね。
そんなあなたのこと、おかあさん大好きだよ。
※想定年齢は5~7歳です。
と、子どもをヨイショしまくります。
そうすることで、子どもは「自分は優しくてかしこい子だ」と自信を持つだけでなく「困っている人について考え、優しく接することが人として大切な行為だ」ということを覚えます。そして、そんな自分に誇りを持つようになり、人に優しく接することに前向きになれます。
さらに最後に必ず「悩んだり考えたりしていることをほめる」ようにしています。
考えすぎるコトはいけませんが「考えて解決しようとする姿勢」をほめることは大切だと思います。
そうすることが「考えて解決しようとする行動習慣」を身に着けることにつながると考えます。
コトの終わりや締め括り
運動会、参観、家族行事など、イベント毎の終わりにできるだけほめてあげることが大切だと思います。
「終わりよければ全て良し」
ではないですが、少しでもいいところを見つけてほめてあげましょう。そうすることで「反省すべき点を受け入れる心の余裕」も生まれます。
そして何より、日常生活の中のコトの終わりにほめることを心がけています。
- 食事のあと
- 風呂あがり
- トイレのあと
- 寝る前(一日のおわり)
食事のあとは、きれいに全部食べられたことをほめる。怒られながらも最後まで食べたことをほめる。
風呂あがりは湯冷めする前に着替えられたらほめる。湯船に入って10数えられたらほめる。
トイレは自分で行けたらほめる。電気を消して戻ってこれたらほめる。手を洗えていたらほめる。
何でもほめることはあるはずです。
先にも述べましたが、特に幼いうちは毎日同じことでほめても良いです。
特に幼い子どもは、同じ内容しかほめてもらえないことよりも「ほめてもらった事実」が重要なのです。
そして寝る前は、その日にできたところを振り返りでほめてあげます。
そして最後にトドメの一発
と伝えて、子どもが喜ぶスキンシップをして終わります。
その日一日が仮に怒られまくって最悪な一日だったとしても、子どもは最後のこの一言とスキンシップに救われます。
そして「自分が大切にされていることを実感」します。
まとめ:子育ては洗脳作業…だから「ほめ言葉による良い洗脳」で子どもを育てよう
子育ては「洗脳作業」です。
「洗脳」というと、良いイメージがありませんが、世の中の教育は「洗脳」だらけです。
学校教育、社員教育もそうですし、フリーで自分が一目置いている人の話を自分の判断で聞くことも、尊敬する人の話を聞いて自分を「洗脳」しようとしているのです。
そう考えると、素直でどんなことも受け入れる幼い子どもたちには
自分に自信を持ち、何事も失敗を恐れずに前向きに、楽しく生きていけるための 「良い洗脳」をしてあげなければなりません。
それが「ほめる」という行為です。
子どもは「自分が目にしたもの、聞いたもの、感じたもの」を素直に受け入れます。
つまり、大人が「目にするもの、聞くもの、感じさせるもの」として何を選択するかが、子供の成長に大きな影響をあたえます。
子どもは「ほめて」育てましょう。
- あなたは「すごい」
- あなたは「かしこい(エライ)」
- あなたは「やさしい」
- あなたは「何でもできる」
- あなたは「すばらしい」
- あなたは「ガマン強い」
- あなたは「私の宝物(大切な子ども)」
褒め言葉のシャワーを浴びせてあげて、良い意味で子どもを「洗脳」してあげてください。
そのために、ほめ上手になるための努力を、本記事を参考に進めてもらえれば幸いです。