子供が成長し、イロイロなことができるようになってくると、親心として「良い生活習慣を身につけてあげたい」と考えますね。
この記事では
「あいさつしなさい」
「片づけしなさい」
「お箸をつかいなさい」
と、叱ることなく、親としてのストレスをできるだけ抑えながら子供に生活習慣を身に着けさせるしつけのコツと心がけについて紹介します。
目次
しつける前に「子供は未熟」であることを理解する
まずは親として子供をしつける前のに「子供は未熟であること」を理解しましょう。
- 何度言っても同じ失敗をする
- 一度できていたことがまたできなくなる
- 目の前のコトに集中してできない
これは成長途中の子供の世界では「あたりまえ」のことです。
子供は大人とは違います。
子供が「成長途中」であることを忘ないようにして、「できない現実」をサラっと受け流せるようにしましょう。そうすることで、親としてストレスを抱えずに子供と向き合うことができます。
ムリに「努力」で習慣づけようとしない
人間はだれしも強制を好みません。
大人ですら好まない人が多いのに、子供に努力を強いることは子供にストレスを掛けることに繋がります。
小学校に入学するまでをタイムリミットと考えても「6年」あります。言葉が通じるようになってくる「3~4歳」からで考えても「2~3年」もあります。
小学校に入学しても基本的な生活習慣が身についていない子が沢山いる現実を考えれば、「時間はタップリある」と考えられます。
焦らず気長に付き合ってあげましょう。
子供を努力嫌いにしないためにも、生活習慣を習得する手段に「努力」を選択することは、できるだけ控えましょう。
生活習慣を身に着けさせる「しつけのコツ」
あいさつ、片づけ、歯磨き、くつ揃えに、早寝早起き・・・理想的な生活習慣は挙げればキリがありません。
これらを身に着けさせるためには、以下のコトを実践するコトが大切です。
- 〇〇できる子供を育てるための「条件」を知る
- 「価値観」は「親の生き様」を見せるコトからつくる
- 「知識」は一緒に「経験」を重ねながら作る
- 「能力」は「自分でやりたい」思った時にやらせてつける
- 「自信」と「意欲」はとにかく「褒めて」つける
以下に、それぞれのコツについて、詳しく説明します。
○○できる子供を育てるための「条件」を知る
理想的な生活習慣を実践できる子供を育てるためには、子供の中に
- 価値観
- 知識
- 能力
- 自信と意欲
の4条件が最低でも揃わないといけないと考えます。
まずは 「○○をするべき」 という「価値観」が子供に無ければ、動けません。
しかし「価値観」が子供にあっても、「知識」が無ければ、やりたくてもどうすれば良いのか分かりません。
そして「価値観」と「知識」が子供にあっても、「能力」がなければ「知識」のとおりに動くことができません。
さらに「価値観」と「知識」と「能力」があっても、「やれる」「やってみよう」という「自信」と「意欲」が無ければ自主的には動けません。
つまり
子供に生活習慣を身に着けさせたければ、子供に「価値観・知識・能力・自信と意欲」の条件を揃えてやるコトが必要だ、というコトを親が認識しなければなりません。
「価値観」は「親の生きざま」を見せるコトからつくる
子供の「価値観」を作る上で親の役割はとても重要です。なぜなら、親のたち振る舞いや言動を通して子供は「価値観」を作っていくからです。
つまり、子供の価値観は「環境=親のたち振る舞いや言動」によって形成されます。
例えば、片付けを例にして考えると
「片づけをすることがあたりまえ」
「片づけをすることは大切なこと」
「片づけをすることは素晴しいこと」
といったことを、日頃から感じられる立ち振る舞いを、我々親が演じていけば良いのです。
具体的には
「親が見本をみせる」
これに尽きます。
- まずは、日頃から親がサラッと機嫌よく片付けをして部屋の清潔を保つところを子供に見せる。
- そして時々 「部屋がキレイっていいよね~♪」「片づけって大変だけど、その後が気持ちいいよね~♪」 と子供に何気なくさわやかに発信して共感させる。
そうすると
「部屋がキレイなのがあたり前」
「そのためには片付けが必要」
という「価値観」が子供の中に自然と芽生えてきます。
片付けても片付けても部屋が散らかる・・・幼い子のいる家庭で「清潔を保つ」のは至難の業です。
片付けは昼食前、夕食前、寝る前の3回だけにする、など片付けのタイミングを決めてしまうと良いでしょう。毎日どこかのタイミングで「キレイな部屋」を子供に見せることが大切です。
「知識」は一緒に「経験」を重ねながら作る
片づけをすべき…と分かっていても「やり方」や「コツ」といった「知識」がないとできません。
これも親が教えていく必要があります。
しかし、口でパッパと教えるだけでは子供はなかなか理解できません。そりゃそうです。口でパッと言われただけで覚えるのは大人でも難しいですよね。
一緒に片付けてあげましょう。親子が2人1組となって一緒に片付けをしてあげましょう。
子供がノソノソと何をするでもなく動いている横で、親が単独でパッパと片付けをするのでは意味がありません。
本を片付けるのであれば
「この本はどこに片付ければいいのかな?」
「どっちが上かわかるかな?」
「同じ大きさのものってどれだろうね?」
「こうやって揃えるとキレイだよね・・・やったね~!できたね~!」
などなど、会話を通して作業のひとつひとつを確認しながら一緒に片付けてあげることが大切です。
このように繰り返される体験が、徐々に子供の中で「知識」として蓄積されていくのです。
「能力」は「自分でやりたい」と言った時にやらせてつける
最初は親が中心になってやり続けます。
そのうち「自分でやる」と言いだす時が来ます。
その時にも「じゃあ頑張ってみて」と目を離すのではなく、優しく見守ってあげて下さい。危なくなければ子供の自主性を尊重して失敗しそうでも見守りましょう。
「もし出来なかったら“手伝って”って言ってね」
と出来なかった時の対処法を伝えた上で見守ると良いでしょう。
この繰り返しで、子供は作業に必要な心身の動かし方を学び、「能力」を身につけていきます。
「自信」と「意欲」はとにかく「褒めて」つける
子供は「自信」と「意欲」を持てば自主的に動くようになります。
そのために必要なことが「褒める」ことです。
「褒めることがない・・・」と嘆く親御さんが多いですが、決してそんなことはありません。
「褒める基準」をグッと下げてあげてください。
産まれた時には何もできなかったハズです。そこと比較して「できているコト」を褒めてみましょう。
- 「片付けるオモチャや本を拾ったコト」を褒める
- 「試行錯誤しているコト」を褒める
- 「片付けが終わるまで一緒にいたコト」を褒める
- 片付けができなくても「やろうとしているコト」を褒める
- そばにあるモノを「拾って~」とお願いして、拾ってくれたら褒める
などなど、ワンサカ出てきますよね。
褒め言葉も
- すごいね
- 力持ちだね
- ありがとう
- はやくできたね
- お母さん、うれしいな
- ガンバリ屋さんだね
と、考えればいくらでもあります。
褒めてみて、すぐには片付けができるようにはなりません。できるようになるまで・・・いやいや、できるようになってからもすっと毎日褒めるのです。
全然片付けなかったけど 「何か褒められて楽しかった」 そこからのスタートです。
「待つ」&「受け入れる」姿勢で穏やかな子育てライフを
つい先日のコトですが、SAIRANの5歳と3歳の子が突然、寝る前に自分たちで片付けをし始めました。
「今片付けたら明日の朝遊ぶときに気持ちがいいでしょ」
「私、自分でやれるよ。幼稚園でもやってるもん」
と突然の「確変」を見せつけられました。自分たちから片付けるなんてもっと先の話だと思っていたので、本当にビックリしました。
終わった後・・・とは言えまだ沢山残っていましたが、細かいことは言わずにあとにシッカリ褒めてあげました。
日々子育てをしていて感じるのは 「大人の見えていないところで子供は確実に成長している」 というコトです。
毎日一緒にいると「何も成長していない」ように見えます。でも、子供の体の中は猛烈な勢いで細胞分裂を繰り返して?成長している・・・ハズ・・・
もちろん?先日のコトがウソのように、今日は一度も片付けてくれませんでした。
でも 「それでいい」 と思います。
次に自分で片付けてくれる日がいつ来るかは分かりませんが、それを楽しみにしながら子供の現状を「受け入れ」て、気長に成長を「待ちたい」と思います。
そして、今しか味わえない幼い子供たちとの時間を、穏やかに過ごしていきたいと思います。