受験生の皆さん、暗記作業は順調に進んでいますか?
私の受験生時代は暗記そのものに苦手意識はなかったものの、人よりも時間がかかっていたように思います。
同じような経験から暗記に苦手意識を持つ人や悩みを持つ人のために、脳科学を活用した暗記のコツをご紹介します。
今回のテーマは「食べ物」です。
食べ物を通して、フル回転してもらわないと困る脳のために「記憶作業を効率的にするのに有効な栄養分」を摂取するのです。
記憶作業がアップする食べものから、記憶作業を阻害するの摂取を控えたい食べものまでご紹介します。
目次
暗記作業の効率がアップする「食べ物」8つ
まずは、暗記作業の効率がアップする食べ物を具体的に紹介します。
全て食べるのではなく、好き嫌いや生活スタイルに合わせて無理のないように摂取していくと良いでしょう。
青魚(サバ、サンマ、イワシ、マグロ)
青魚を食べると頭が良くなる・・・と言う話は聞いたことがあると思います。
青魚には、脳神経を活性化させるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、血液をサラサラにするEPA(エイコサペンタエン)酸が豊富に含まれています。脳神経を活性化させることによって、脳の記憶力が向上します。
特に魚の目の周りには多くのDHAが含まれています。
毎日食べるのが難しい場合や、魚が嫌いな人はサプリメントで取るのも良いでしょう。
大豆
大豆には多くのレシチンが含まれています。
レシチンは記憶力を高める効果があり、脳内の情報伝達速度をアップさせます。レシチンに含まれる物質が脳の神経伝達物質の役割を果たすからです。
また大豆に含まれているビタミンB1も同じく記憶力を高める効果があるとされていますのでW効果ですね。
ただ、食べ過ぎは記憶力の低下や認知障害を招くという研究結果があるので気を付けましょう。
毎日節分のように大豆だけをパクパク食べるのではなく、普段の生活の中で大豆を使った料理を食べるのが良いでしょう。
バナナ
バナナには脳の栄養素となるブドウ糖やビタミンB6などの物質が豊富に含まれています。
記憶をつかさどる部分を促進させるというよりも、脳全体を活性化させることによって記憶を促進するイメージですね。
朝食でよく食べられているのも、朝から脳を活性化させるバナナの働きを期待してのことなのですね。
チョコレート
老若男女、多くの人類に愛されているチョコレートも暗記を効率良く進めるのに良いとされているのです。ちょっと嬉しい話ですが、半信半疑な方も多いかと思います。
実は、チョコレートの原料のカカオにその秘密が隠されています。カカオは脳の海馬の機能を高める作用があります。記憶力だけでなく集中力も促進してくれる私たちの強い味方なのです。
それに加えてテオブロミンという栄養素も脳を刺激して記憶力を高めることが分かっています。
さらにチョコレートには脳の栄養素であるブドウ糖も含まれていますので、記憶力のアップをかなり期待できますね。
ただし、チョコレートにも種類によって原材料のバランスが大きく違いますので、気を付けたいところです。ちなみに、記憶に良いとされているのは、糖分の少ないカカオ90%のダークチョコです。
緑茶
お茶を飲むと記憶に関する脳波が出て、脳が活性化されることが分かっています。
緑茶に含まれているカテキンが脳の神経細胞の発達を促します。
寝起きや暗記作業を始める前にひと息入れる時などに、リラックスしながら飲むと良いでしょう。
ベリー類
ストロベリーやラズベリーなどのベリー類に含まれるフラボノイドという抗酸化物質が、細胞や神経の機能を守ります。
抗酸化物質は名前の通り、脳細胞の酸化を防いでくれるので、脳を活性化させる栄養分と同時に摂取しておきたい栄養分ですね。
ジャムのような加工品でも十分にその効果を得ることができます。
ホウレンソウ
ホウレンソウに含まれているルテインという栄養素は、脳細胞を復活させる役割を果たします。
熱処理をすると栄養素が外に出てしまうので、生で食べるのが良いそうです。
ピーナッツ
ピーナッツに含まれるレシチンは体内に入ると脳の神経伝達物質であるアセチルコリンに変化して、脳の記憶力のアップを促進します。
また、ピーナッツの茶色い皮には、抗酸化作用のあるレスべラトロールが豊富に含まれていて、脳細胞の酸化を防ぐことで暗記の効率化を助けます。
記憶力を促進して暗記効率をアップさせる「最強栄養素」は何?
次に、少し視点を変えてみて、食べ物そのものではなく、食べ物に含まれる栄養素から考えてみたいと思います。
世の中にある栄養素の中で記憶力を促進し、暗記効率をアップさせる最強の栄養素とそれを含む代表的な食材を紹介します。
脳の記憶力促進に効く最強の栄養素は「レシチン」
記憶力を促進する最強の栄養素は「レシチン」のようです。
レシチンは車でいうオイルのような存在?
レシチンは脳内の神経伝達物質です。つまり脳内の情報のやり取りを促進して脳の記憶作業を助けます。車で言うオイルのような存在でしょうか?
レシチンを含んでいる食べ物を摂取していれば、記憶力・集中力アップだけでなく物忘れの防止にも効果を発揮します。
レシチンを多く含む食材リスト
レシチンを多く含む食材を紹介しておきます。
レシチンは大豆を始めとする豆類に多く含まれています。
なので、食事をする時に納豆や豆腐などの豆類を積極的に食べましょう。そして間食時にナッツやピーナッツ類を食べるようにすると良いでしょう。
レシチンと同格の栄養素ホスファチジルセリンにも注目
レシチン同様にホスファチジルセリンも、脳の記憶力を促進するのに不可欠な栄養素です。ホスファチジルセリンは神経細胞の代謝を活性化させることで、脳の神経伝達物質の働きをスムーズにします。
ホスファチジルセリンを多く含む食材リスト
ホスファリジルセリンを多く含む食材を紹介しておきます。
知っておきたい“暗記の効率を下げる”栄養素は「脂肪」
レシチンやホスファチジルセリンなどのような、記憶力を促進して暗記の効率を高めてくれる栄養素がある反面、記憶力の促進を停滞させ、暗記の効率を下げてしまう栄養素もあります。
それは「脂肪分」です。
ラットに高脂肪のエサを与えると、10日程ででラットの運動能力と記憶能力が大幅に低下した
という研究報告があるそうです。
しかし、脂肪分の多い食べ物を好む人は多いです。
かく言う私も油っこいものが大好きです。だから1年間浪人しても一般レベルの私大にしか合格しなかったのでしょうかね・・・?
「玄米」が脂肪分の欲求を押さえてくれるよ
しかし、そんな欲求を押さえてくれる食材があります。
それは「玄米」です。
玄米には、脂肪を食べたい欲求を押さえてくれる「ガンマ・オリザノール」という成分が含まれています。
とは言え、何事もバランスです。
どうしても肉が食べたければ、赤身の肉がオススメ
脂肪は、タンパク質、炭水化物と共に三大栄養素のひとつとされていて、エネルギー源として重要な働きをしています。
なので、食べすぎないように注意しながら脂肪分を摂取することが大切ですね。
また、どうしても肉が食べたい時は、赤身など脂肪分の少ない肉を食べるようにすると良いでしょう。
食生活のバランスに気を付けて摂取しよう
いかがでしたか?
暗記を効率良く進めるコツと言えば「暗記方法」を考えがちです。
しかし、実際に暗記をするために記憶作業をするのは脳です。その脳に「栄養」を与えてやることが、記憶力の向上に欠かせません。
とは言え、人には食べ物の好みがあります。
そして、脳に必要な栄養分は記憶力に効果的なモノだけではありません。
好きなものを控えすぎるとストレスが溜まります。
その反面、好きなものばかり食べていると、栄養のバランスが偏り、体力の低下や免疫の低下による体調不良を招きます。
バランスの良い食生活を基本にして、暗記力を高める食材を効果的に摂取することを心がけるのが良いでしょう。
がんばってくださいね。