教員採用試験に「コネ」はつきもの・・・???
と言われても仕方のないくらいに、教員採用試験を語る上で「コネ」が話題になることは少なくありません。
これから教員採用試験の受験を考えている方や、すでに何度も受験されている方にとっては「不安」「怒り」「失望」を感じさせる、あってはならない事実です。
今回は、受験経験者の筆者が本音で「教員採用試験とコネ」について意見をしてみました。
そして、現実をどう受け入れて教員採用試験に臨むべきなのか…教員採用試験の受験者への方々へのメッセージをお伝えします。
目次
教員採用試験「コネ採用」は確実に存在した
教員採用試験を始めとする「公務員」の採用試験と「コネ」の関係は、受験生やその周辺の間ではよく話題にされるテーマです。
教員採用試験に限って考えた場合、よく話題にされる理由としては以下の事が挙げられます。
- 親族が皆教員である家族が存在する
- どう考えても教師に向いていない人が正職員(教諭)に採用されている
- 過去に事件として教員採用試験の不正疑惑があった
特に③については、近年では2008年に明らかになった大分県での教員採用試験に関する不正疑惑が挙げられます。
昔から噂されていた教員採用試験での「コネ」を利用した採用が明るみになり、全国の受験生を始めとする市民からの失望と怒りが教育界に向けられました。
大分県での教員採用試験の不正疑惑の内容は
- 合格者の41人のうち約半数に口利きがあった。
- 対象の受験生に不要な加点をして配慮していた。
- 全体の平均点が不自然にならないよう、他の受験生約10名の減点を行った。
とのことで、事実関係を認めた者を中心に当事者と思われる教職員から多くの退職者が出ました。
つまり、現在はどうなのかはともかく
のようです。
そして、不正が明るみにされなかった教師は今もなお教壇に立ち続けている可能性があるのです。
現在は、教員採用試験にコネが「ある」とも「無い」とも言い切れない
あれからかなりの年月が経ちました。
今、教員採用試験を受験するみなさんはどのような気持ちで受験の準備を進めているでしょうか。
特に何度受験しても合格できずにいる方は、たとえ過去の事であっても「コネ」を利用して合格し、今も教壇に立ち続けている人がいる現実に怒りや苛立ちを覚えることもあるでしょう。
また、現在進行形で自分が真面目に教員採用試験の受験準備に取り組んでいることに、虚しさを感じる方もいるでしょう。
私自身、ちょうど教員採用試験を受験準備を進めている時期に大分での不正採用疑惑の報道を知りました。
とか
という不安が頭をよぎることがありました。
大学を卒業してから8年間積み重ねた民間企業でのキャリアを捨てて、教員採用試験の門を叩くことを決意したものの「何か大きな罠に自らハマってしまったのではないか・・・」という気持ちにもさせられました。
今も同じような不安定な気持ちで受験されている方がいるのであれば、それは不幸としか言いようがありません。
コネを使った教員採用試験の合格の存在は無い!
と言い切り、教師の道を志す皆さんに安心してもらいたいのですが、現状は「ある」とも「無い」とも言えません。
現在は、教員採用試験に「コネ」があったとしても昔ほど多くはない
ただ言える事とは
ということです。
あくまで間接的な事実を繋げてみた上での意見ですので、慰めにも安心にもなりませんが、そう考える理由を以下に挙げておきます。
- 筆者の知るところだけで、校長や都道府県教育委員会幹部クラスの子弟で3回以上不合格になっていて、講師として勤務し続けている人が2人いる。
- 都道府県内の異動も含め、内部のあらゆる制度が「口利き防止を意識した制度」に変わってきている。
- 現役教師を含めた不祥事が多発し、教職員全体への不信感が強まっていることに教育委員会が神経をとがらせていて、ここ数年は教育委員会からあらゆる不正を牽制する通達が増えている。
- 多くの自治体で教員採用試験の成績開示制度が導入されている。
それでも、力のある人を介してコネを使った不正がある可能性は否定できません。
しかし、昔と比べかなりの隠匿性が保証されないと不正しにくい状況であることは事実です。
未だに教員採用試験におけるコネ合格があったとしても、大分の件のように合格者の半分に不正があるようなコトはまずないと思われます。
「コネの存在を気にしないコト」が教員採用試験合格へのポイント
先にも述べたように、私が受験生の時もコネ採用の噂はありましたし、コネ採用が自分の合格の可能性を潰す可能性への不安はありました。
しかし、教師を目指す皆さんに言えることは
ということです。
以下の事を意識して、前向きに教員採用試験の準備を進めてみてはいかがでしょうか。
- 現実はコネ無し合格者のほうが多い。
- コネが気になって勉強のやる気を出せないメンタルなら、教師には向いていない。
- 教師不足による募集数の多さと低倍率はどう考えても教員志望者には追い風。
現実はコネ無し合格者のほうが多い
何事もモノは考えようです。
実際にコネで教員採用試験に合格した人がいたとして、それは合格者全体の何パーセントなのでしょうか?
そんなことはいくら考えても答えは出ませんが、ハッキリしていることは
ということです。
教職員の中で親族が教職関係者であったり地元有力者であったりする割合は3割もいません。
多くて2割程度でしょう。
仮にその2割が全員コネで合格していたとして、単純に考えれば8割がコネナシ合格者ということになります。
この私も、親どころか親戚どこを探しても教職関係者はいません。
大学も私立の経営学部卒業ですし、民間で8年間勤務し、何のコネもない状況で3つの自治体に1発合格できました。
つまり、コネ合格なんてあってもなくても、教員採用試験に合格する力さえつければ関係ないのです。
極端な話、仮に定員の半分がコネ採用で占められていたとしても、あとの半分は席があるわけです。
その半分の席を自分の力で強奪してやる…くらいの強い気持ちを持って教員採用試験の準備に力を入れていくことが必要なのではないでしょうか。
コネが気になって勉強のやる気を出せないメンタルなら、教師には向いていない
本気で「教師になりたい」と思っているのに、「コネ採用が…」なんて心配ばかりして教員採用試験の準備が手についてない人はいませんか?
もしそんな方がいたら、そんな自分の思考パターンを変えましょう。
なぜなら
からです。
教師の仕事は様々な悩みや課題を抱えながら、ほぼ常に見通しの悪い状況下で平然と授業をし、学級運営を進めていかなければならない仕事です。
例えば、児童・生徒間のトラブル、保護者からのクレームや要望、度重なる行事への準備と進めなければならない授業とのバランス、その他校務に関する仕事の締切りへのプレッシャーなど・・・そこへ私生活の悩みも含めて、どんなに見通しが悪く、精神的プレッシャーが重なろうとも、児童・生徒の前では平然と、いつもの明るく元気な先生を演じなければなりません。
コネの存在が気になって、教員採用試験の準備が手につかないようでは、教師への適性が疑われます。
今すぐ気持ちを切り替えて、教員採用試験の準備を全力で進めましょう。
教師不足による募集数の多さと低倍率は、どう考えても教員志望者には追い風
私が受験した頃からそうですが、今も…そしてこれからも…
しばらくの間
教員採用試験は
超売り手市場
です。
つまり受験者に追い風が吹いている状況が続きます。
特にここ数年の教員採用試験は他の公務員採用試験と比べて問題自体が平易な上、合格ラインも高くありません。
何もかも高いレベルで試験を乗り越えたにもかかわらず合格できない・・・というようなケースは、一部の校種や地域を除けばかなりのレアケースです。
少なくとも今は年配者の早期退職だけでなく、若手職員の退職の多さから、慢性的な教員不足で採用人数が異常に多いです。
さらに、教師の働き方の問題がクローズアップされ、全国的に教員採用試験への出願者が減少し、競争率が低下しています。
これだけでも、教師を目指す受験生には追い風であることは間違いありません。
そう考えれば、コネの有無なんて気にするコトではない・・・と思いませんか?
コネの存在なんて関係なしで、残された大量の座席を勝ち取るために、前を向いて合格に向けてやるべきことを全力で取んでいきましょう。
まとめ:合格できない理由は「コネではなく自分の中にある」と考え、取り組む人が合格する
現場で働いていて、どうしてこんな人が教員採用試験を突破してきたんだろう…と思わざるを得ない人は20人に1人くらいは存在します。
そして、なかなか合格できず講師をしている方で「この人が何で合格しないんだろう」と思うケースもあります。
しかし、それは「仕事ぶり」をみていてのことであって、教員採用試験そのものへの取り組み方とは別の話です。
やはり、教員採用試験に合格できないのは
受験者自身に原因がある
と考えるべきでしょう。
この売り手市場の中で、自分が合格できない理由に「コネの存在」は関係ありません。
「コネの存在」を認めつつも「だからどうした?」という強い気持ちで教員採用試験を突破することが、自分自身を成長させ、教師に相応しい精神的な逞しさを培うことにつながるのだと考えましょう。
コネの有無なんて関係ない!合格できない理由は「自分の中にある」のです。
頑張ってください。
▼教員採用試験に受からない理由&原因と解決方法について、より深く考えたい方はこちら