この記事では、教員採用試験対策を進めるにあたって必要な考え方「弱点をつくらない」ことの大切さについて説明します。
受験生のみなさんには得意科目と苦手科目があると思います。
その苦手科目をどのように位置づけて日々の受験勉強に取り組むかが、教員採用試験の合否を大きく左右します。
得意科目を伸ばすことよりも「苦手科目=弱点を作らないコト」が合格への近道なのです。
▼数学が大の苦手で、筆者の数学克服体験談を読まれたい方はコチラ。
目次
教採合格への思考法 「弱点をつくらない」 とは?
「弱点をつくらない」
教員採用試験を突破するためには必要な考え方です。
具体的には
- 得意な試験科目で満点を狙うよりも“苦手を無くすこと”に注力する。
- どの試験科目も“受験者平均”はできるようにする。
ということです。
気を付けたいのは、 「全科目を得意科目(種目)にしなさい」 という事ではありません。
全科目を得意科目にしなくても、教員採用試験に合格できます。足切り※に引っかからないようにして、ボーダーラインを超えさえすれば合格するのです。
そのためにはまず 「どうしようもない苦手なコトを無くさなければならない」 言う事です。
“苦手科目を受験者平均レベル”にして“得意科目で差”をつけよう
教員採用試験は実に多様な能力を問われます。
特に小学校では
- 各教科(国語、算数、理科、社会、英語、体育、音楽、図工)の知識
- 一般常識の知識
- 教職教養(教育法規、文科省答申、教育時事など)の知識
- 実技(デッサン、水泳、体操、鉄棒、球技、創作ダンス、歌唱、楽器演奏など)
- 個人面接
- 集団面接
- 集団討論
- 模擬授業
- 論作文
などが問われます。(自治体によって問われる試験科目には違いがあります)
絶対に合格したいのであれば、得意な試験で苦手の埋め合わせをしようとしないことです。
やるべき事は「苦手をなくすコト」です。
苦手な試験科目を受験者平均はできるようにして、得意科目で差をつける。
という考え方が大切です。
そうすれば、ボーダーライン上に浮上する可能性がグンと高まります。
試験に強い人は「苦手科目が無いコト」を知ろう
皆さんが経験してきた高校や大学受験でもそうですが
合格する人の多くは「苦手」がありません。
本人は「苦手」と言っていても、その実態は「得意科目よりも点数が取れない」というレベルです。
なので、得意科目で失敗しても、他に致命的な弱点が無いのでボーダーライン上に残れる…結果として、合格してしまうのです。
逆に、失敗する人の多くは、致命的な苦手科目があり、得意科目でその埋め合わせをしようとします。
得意科目で苦手の埋め合わせをしようとする受験生の場合、得意科目で成功しないと総合得点がボーダーラインを超えない場合が多いです。したがって、得意科目で失敗をすると、大した失敗でなくてもボーダーラインを超えるのが難しくなってしまうのです。
こんな博打みたいなやり方をしていては、なかなか合格はできません。
これが、試験に強い人と弱い人の決定的な違いです。みなさん、心当たりはありませんか…?
教採対策は「80→100」よりも「10→30」のススメ
ですが、人間はどうしても得意なことに注力しがちです。
例えば
そんな気持ちから、毎日面接対策を頑張ってしまいがちです。
受験生は限られた時間を様々な試験の準備に配分しなければならないので、同じ時間で効果の高い準備をしたいものです。
そこで、「80点のものを100点に近づける」のと「10点のものを30点にする」のとどちらが容易か考えてみてください。
同じ+20点でも、後者の方が容易だと思いませんか?どう考えても、苦手を無くすほうに注力するほうが効率的です。
苦手なコトを人並みレベルまで引き上げるコトは「効率良く教員採用試験の勝率を上げられる考え方」なのです。
「弱点をなくす」ことを優先して教採で圧勝した筆者の話
最後に、筆者SAIRANの体験談をお話させて下さい。
私は幸い、教員採用試験に1発合格できました。
それだけでなく、受験した3府県3連勝・・・おまけに希望自治体では合格者190人中11番で合格する・・・という余裕の勝利でした。
しかし、私には「数学が超苦手」という課題がありました。この苦手具合が半端ない苦手さでした。
どれくらい苦手だったかと言うと
- 中学時代は公立学校判定模試で数学偏差値40前後。
- 点数を取らせる大問1の計算問題で普通に間違える。
- 高校時代(偏差値53程度)の校内模試は常に数学は単独最下位。
- 教員採用試験準備の開始当時、採用試験模試・数学の偏差値は30台。
- 平方根や因数分解どころか、割算の筆算のやり方すら忘れていた。
- 分数や小数が出てくるとかなりの確率で間違える。
というレベルでした。
なので私は、教育実習が終わった11月末から翌年1月末まで、ほとんどの時間を数学の勉強に費やしました。
時間にすると1日7時間は数学を勉強していたと思います。
7時間×60日=420時間
中学校の標準レベルの参考書を購入して、何度も何度も繰り返しやりました。最初は解答・解説とのにらめっこ…最初の頃は本当にしんどくて、30分やっては図書館の外で5分休憩してました。
でも、2カ月後には最低でも6割は取れるようになりました。
「ほぼ0点が60点」です。
これは大きかったです。一気にコンプレックスが解消され 「合格できるかも!」 という希望が出てきました。
逆に私は、比較的英語が得意です。得意なんて言うと本当にできる人には笑われますが
- 英検2級を模試形式の問題を3回練習したのみで合格
- TOEIC平均700点前後
- 今でもセンター試験レベルなら、ぶっつけでも7割は取れる
そんなレベルです。
人並み以上ではあると思います…
なので、英語は殆ど勉強しませんでした。それでも英語は点数が取れました。
リスニングが苦手で、必ずどこかで間違えましたが、構わずに放置しました。
もし、私の数学と英語の力の掛け方が逆になっていれば、きっと今の立場は無かったと言い切れます。
もちろん、私の課題は数学だけではありません。
- 水泳
- ピアノ
- 体操
- 歌唱
などの実技は習ったコトがありませんでした。
つまり全て我流なので、正しいやり方が求められる教員採用試験の準備では「イチからの勉強」が必要でした。
面接、模擬授業、論作文、教職教養の準備も必要でした。
採用試験の内容と求められるであろうレベルを知り、自分の能力と照らし合わせ、優先順位をつけて試験対策に取り組みました。
その際に大切にしていた「考え方=戦略」は「弱点=苦手をつくらない」ということでした。
「不得意科目=弱点を作らないコト」が合格への近道
最後にもう一度、繰り返しますが
得意な科目(試験種目)で苦手の埋め合わせをしようとしない。
苦手なものは、最低でも受験者平均レベルに引き上げて、得意な科目で差をつける。
つまり
「弱点=苦手をつくらない」
ことが、みなさんの合格率を果てしなく100パーセントに近づけます。
圧勝するコトよりも、合格率をアップさせる…10回受験したら10回ともボーダーラインを超えられる実力を付けることを優先して受験勉強を進めてください。
頑張ってくださいね。