教員採用試験・論作文の書き方~10のコツ&模範解答~

論作文・小論文の書き方アイキャッチ 教員採用試験の勉強法「小論文・論作文」

今回は、教員採用試験「論作文・小論文」の書き方について説明をします。

教員採用試験の論作文・小論文は面接や集団討論と同じく、合否を分ける重要な人物試験のひとつです。

そして、教員採用試験の論作文・小論文は、一般の採用試験のそれとは違った「独特のクセ」があります。この「独特のクセ」を理解し、正しい書き方を習得をすれば、合格できる論作文・小論文を書くことは意外と簡単です。

本記事では、模範解答を例にした解説も示しています。

ぜひ参考にしていただき、教員採用試験の合格を現実のものにしてください。



教員採用試験で求められる論作文の「方向性」を理解しよう

教員採用試験の論作文・小論文の書き方の基本は「方向性」の理解

先にも書きましたが、教員採用試験の論作文・小論文試験は、一般の採用試験で課される論作文・小論文試験とは求められる点が大きく違います。

まずはその「方向性」について説明します。

 

①独創性よりも“現実論”を書こう

書き方のコツは現実主義で書くこと

教員採用試験の論作文・小論文試験に「独創性」や「オリジナリティ」は不要です。

教員採用試験の論作文・小論文試験は「教育現場の“現実”」をベースにした「現実論」を書きましょう

「教育現場の“現実”」をベースにした「現実論」とは、教育現場を知る者(採点官)が読んだときに

採点官
うんうん、あるよ…そういうやり方や考え方…そうなんだよね…

と、共感してもらえる「想定される現実的な課題」や「課題に対する実現可能な実践」のことです。

なぜなら、教員採用試験は研修ナシでも教壇に立てる「即戦力」を探すための試験だからです。

言い換えると、教員採用試験は1000人に1人の超優秀な人を探すための試験ではなく、5人に1人はいる「無難に4月から教壇に立てる人」を探すための試験なのです。

なので

教育現場の現実を理解していて、実現可能な実践を無難に選択する価値観や能力があるかが問われます。

逆に、独創性やオリジナリティといった現実知らずの「お花畑的な“理想論”」は不要なのです。

もし「お花畑的な”理想論” 」を述べた論作文を書いてしまったら

採点官A
この人、大丈夫かなあ…
採点官B
こんなのムリムリ…やれるもんならやってみい…

と思われてしまい、低評価をつけられてしまいます。

教員採用試験の論作文・小論文は「独創性は不要、“現実論”で攻める」を徹底してください。

 

②「”現実論”を述べる力」をつける方法

論作文の理想の書き方は現実論を述べるコト

そこで、教員採用試験の論作文・小論文は、自分が「教育現場の現実を知っている」ということをアピールするために、以下のことを採点官に示す書き方を心がけてください。

  • 教育現場の現状を理解できていること
  • 国の教育方針を理解できていること
  • 今すぐ「実現可能な教育活動」を選択できる価値観や考えを持っていること

そのためにどのようにすればよいのか。

学校教育の現実を知るためには「講師経験」が最も有効です。

現実を知るのに現場での実体験に勝るものはありません。

講師経験が教員採用試験で有利に働くのはこの点(のみ)です。

 

講師経験が無い場合も心配は要りません

教師としての仕事を「疑似体験」すれば良いのです。

疑似体験とは、教育に関する本、雑誌、インターネットなどを通して「学校教育の現状」について知ることです。

この場合、一つの本やサイトをじっくり読むよりも、たくさんのメディアに触れて浅く広い経験値を高めておくことをオススメします。

「疑似体験」の方法については、以下の記事に詳しく書いています。

あわせて読みたい

▼講師経験のないハンデを覆す方法について知りたい方はこちら

教員採用試験「講師経験なし」でも一発合格!「疑似体験」のすすめ

2018年5月19日

 

③「型」にハメて受験者平均を確保しよう

教員採用試験の論作文・小論文は型にはめるのが書き方のコツ

ここまでで、教員採用試験の論作文・小論文で独創性やオリジナリティにあふれた書き方では不合格一直線であることがお分かりいただけると思います。

つぎに、もうひとつ大切なポイントをお伝えしておきます。

他の記事でもお伝えしていますが

教員採用試験で合格する確率をアップさせるためには、すべての試験科目において受験者平均をクリアすること」が大切です。

特に教員採用試験の論作文・小論文を苦手としている人は、イッキに「5段階のトップ評価(A評価)」を目指すのではなく、まずは「受験者平均をクリアする(C~B評価)」ことを目標にしましょう。

そのために、教員採用試験の論作文・小論文で書き方の基本となる「型」を知り、マスターしてください



書き方の基本となる論作文・小論文の「型」を知ろう(模範解答あり)

型を知ることが教員採用試験の論作文・小論文合格への第一歩

教員採用試験の論作文・小論文で書き方の基本となる「型」について具体的に説明します。

教員採用試験に合格する論作文・小論文の「型」は主に以下の3つです。

論作文・小論文の型

  • 「はじめ⇒中①⇒中②⇒おわり」の4段構成
  • 語尾は「~だ」「~である」で統一
  • 文字数の目安は指定の9割

 

④「はじめ⇒中⇒中⇒おわり」の4段構成

教員採用試験の論作文・小論文の書き方の基本は4段階構成

教員採用試験の論作文・小論文で理想とされる構成は決まっています。

これは、市販されている攻略本から予備校のサイト、他のブログに至るまで「同じこと」が書かれています。

繰り返しますが、それくらいに教員採用試験の論作文・小論文は理想とされる「型」が決まっているのです。

 

論作文・小論文の「基本型」4段階構成

教員採用試験の論作文の書き方の基本は4段階構成
論作文・小論文の構成は「 はじめ ⇒ 中 ⇒ 中 ⇒ おわり 」の4段階構成にすると良いでしょう。

基本的に、指定の文字数に関係なく「4段階構成」で書くのが理想です。

それぞれ4つの段落に割り当てる文字数は「4等分」を目安にして書いてください。

  • 1000文字であれば、1段落あたり250文字。
  • 800文字であれば、1段落あたり200文字。

文章の内容によって文字数のバランスが前後するのは全く問題ありません。

例えば、指定の文字数が1000字であれば

  • はじめ:200 中①:300 中②:300 おわり:200
  • はじめ:150 中①:300 中②:300 おわり:250
  • はじめ:250 中①:300 中②:300 おわり:200

など、多少前後しても全く問題ありません。

ただし、バランスを崩しすぎると読み手の印象を悪くする恐れがあります。各段落の文字数バランスの変動は、できれば10~20%前後に収めたいところです。

 

実際に、私が複数の受験指導のプロからA評価をいただいた論作文の文字数バランスは

  • 「課題A」はじめ:210 中①:298 中②:287 おわり:114  計:909字
  • 「課題B」はじめ:94  中①:416 中②:319 おわり:144 計:973字

など、決して4等分されたバランスではありませんでした。

課題Bについては、はじめとおわりが少なすぎる印象がありますが、3名のプロの方に添削評価してもらったものの中で最高評価(ほぼ満点)をいただきました。

あくまでバランスは目安です。

拘り過ぎて伝えたいことが伝えられない…ということのないよう、気を付けてください。

 

各段落の内容(模範解答)

例文を通して論作文の書き方を学ぼう

4段階で構成される各段落の内容は、以下に示したような内容を心がけると良いでしょう。

私「だいぶつ」が教員採用試験対策で作成し、3名の受験指導のプロから「A評価」をもらった論作文を「模範解答」として例示しています。

テーマは「教師に求められる資質」です。

はじめ:210字

<書き方のポイント>
テーマについて、社会的な背景・課題・取り組むべき方向性や考えについて書きましょう。

<文例>
私たちに求められている資質や能力には、教育者としての使命感や人間の成長・発達についての深い理解、生徒・児童に対する教育的愛情、教科等に関する専門的知識、広く豊かな教養、これらを基盤とした実践的指導力などがある。しかし、それらの原点はすべて子どもの視点に立つことだと考える。子どもの視点に立てば、私たちに求められている事が見えてくる。子どもたちだけでなく保護者や地域から信頼される教師になるために、私は以下の取り組みを実践する。

中:298字

<書き方のポイント>
「はじめ」のところで述べた内容に沿って、テーマにまつわる問題点をどのように解決していくのかを「自分が教師として実践することを」を前提にして具体的にひとつめを述べましょう。

※この際「私が教師になった時には~」といった書き出しは不要。すでに教師であることを前提に「私はこうする」といったスタンスで書きましょう。

<文例>
第一に、努力をする。特に授業を充実させる努力をする。子どもたちにとって授業は学校生活の大部分を占める。授業を充実させることは子ども達の心の安定をもたらし、日常生活全体に良い循環をもたらすと考える。そのためには、子どもたちの実態把握やそれに基づく教材研究といった「準備」と授業後の「反省」に力を入れる。特に「準備」については、子ども達の興味・関心を惹くための創意工夫をする。例えば、立方体の導入でさまざまな大きさの直方体と立方体のモデルを用意する。そして、手触りだけでどちらかを当てるゲームをする。このような教材との出会いにおける工夫が、子どもたちによる直方体と立方体の違いの理解を助けると考える。

中②:287字

<書き方のポイント>
「中①」と同様に、具体例のふたつめを述べましょう。

<文例>
第二に、叱ることよりほめることを重視する。例えば、掃除をやらない子どもの指導については、その行為を叱るのだが、その場ではできるだけ簡潔に叱る。皆の前であれば当然のこと、そうでなくとも長い間、自分の行為について否定的な話をされると冷静に判断、理解できないことがあるからだ。そして、まじめに掃除をする子をほめる。ほめる時はみんなの前でほめる。同時に「どうして良いのか」を、学級全体で考えて学級の総意として掃除をする子の良さを認める。それは、掃除をする子に自信を持たせると同時に、話し合いを通して、掃除をやらない子どもたちに「掃除をすることの意義」を素直に伝えられると考えている。

おわり:114字

<書き方のポイント>
上3段で述べてきたことのまとめと、教師として真摯に熱心に取り組んでいく強い気持ちや決意を書きましょう。

<文例>
以上、私の考えを述べてきたが、仕事を進める上で、目的と手段を履き違えない事も大切である。これは8年間の社会経験から学んだことのうちのひとつである。何をするにおいても「子どもにとってどうなのか」を基準にして考え、努力していきたい。

 

⑤語尾は「~だ」「~である」で統一

教員採用試験の論作文での文末の書き方

文末や語尾は「~だ」「~である」で統一する書き方が無難です。

「~です」「~ます」では意志の弱い印象になるからか、多くの教員採用試験の論作文・小論文対策の本やプロからの指導でもそう言われています。

受験生
「~だ」「~である」はエラそうで自分のキャラに合わない…

なんて人もいると思いますが、ココは無難に「~だ」「~である」で表現する書き方に慣れましょう。

 

⑥文字数の目安は指定の9割

教員採用試験の論作文・小論文での文字数は9割以上が理想

次に、文字数について説明します。

教員採用試験の論作文・小論文の文字数は、試験で指定される最大文字数の9割以上を目安にしましょう。

例えば

  • 指定文字数が1000字であれば900字以上
  • 指定文字数が800字であれば720字以上

ですね。

これも印象レベルの話ではありますが、最後までビッシリと詰まっているのとそうでないのとでは大きな違いがあります。

印象は大切です。

どんなに内容が良くても、1000字中200字分も空欄があると採点官は内容通りの評価を下しにくくなるものです。

試験で指定される最大文字数の9割以上を目指して書いてください。



「印象を良くする論作文の書き方」をマスターしよう

 

論作文・小論文は書き方ひとつで好印象を与えられる

教員採用試験の論作文・小論文試験では、内容以外でも以下のような点で「印象を良くするための書き方」をマスターしましょう。

印象を良くするための工夫

  • 丁寧で読みやすい字を書く
  • 最終行まで埋める努力をする
  • キーワードや教育用語を盛り込む
  • 端的で読みやすい文章にする

 

⑦丁寧で読みやすい字を書く

ていねいで読みやすい字は書き方の基本

達筆である必要はありません。

上手くなくても良いので、丁寧でひとつひとつの文字が読みやすい字を書きましょう。

解答用紙を読む採点官が、ストレスを感じないレベルの字は書くようにしましょう。

また、極端なクセ字も避けるようにしましょう。

クセ字はどのあたりから「クセ」とするのかは判断の難しいところです。しかし、いわゆる女子高生などにありがちな「マル字」や極端に形を崩したファッション的な文字は避けたいところです。

 

⑧最終行まで埋める努力をする

教員採用試験の論作文はできるだけ最後まで埋めよう

先に述べた「文字数」につながる話ですが

指定の文字数が1000字であるなら、可能な限り1000字に近づける努力をしましょう。

理想は先述したとおり、指定文字数の9割は押さえたいところですね。

シッカリと埋められた解答用紙は、採点官がパッと見たときの第一印象を良くするコトにつながります。

絶対的に守るべきことではありませんが、可能な限り最終行まで埋める努力はしましょう。

 

⑨キーワードや教育用語を盛り込む

教員採用試験の論作文・小論文はキーワードや教育用語を散りばめる書き方を心がけよう

教員採用試験の論作文・小論文で自分の考えを表現するために、書き方で気を付けるべきコトは、自分が一般の素人とは違うことを示すことです。

そのためには

文章の中に、テーマに沿ったキーワードや教育用語を自然な流れで盛り込みましょう

教育に普段関心のない人が、その場しのぎで教育について語るレベルで論じていてはダメです。

そういった文章との差別化を図るために、※キーワードや教育用語をサラッと使いましょう。

例えば、上記の例文であれば以下の言葉がそれにあたります。

キーワード

  • 使命感
  • 発達についての理解
  • 専門的知識
  • 実践的指導力
  • 子どもの視点に立つこと
  • 信頼される教師

教育用語

  • 心の安定
  • 良さを認める
  • 自信を持たせる(自尊感情を高める)
  • 実態(の)把握
  • 子ども(「ども」を平仮名で)
  • 興味・関心
  • 創意工夫
  • 行為

これらの用語は、教育に関心のある人でないとあまり使わない言葉です。

「子ども」のような、誰でも使う言葉でも「子供」とは書かないところがポイントです。

こういった言葉をサラっと使えるようになるためにはそれなりの積み重ねが必要です。

以下に、そのためのコツをいくつか紹介しておきます。

  • 教職教養への理解を深める
  • 評価の高い論作文や「教員養成セミナー」などの教育雑誌を読んで、慣れ親しんでおく
  • 評価の高い論作文ネタを作って暗記しておく

※ここで言う「キーワード」とは、論作文の中で「大切にしたいコトを表す言葉」であり、「教育用語」とは教育現場でよく使われる言葉のこと。

⑩端的で読みやすい文章にしよう

教員採用試験の論作文・小論文は端的な書き方を徹底しよう

教員採用試験の論作文・小論文試験では、採点官が「読みやすい」と感じてもらえる文章を書くことが大切です。

そのためには

文章のひとつひとつが「端的」である書き方が理想です。

端的であるというのは、文章のスタートから文末の〇までが長くないことです。

例えば、先にご紹介した論作文・小論文の文例に以下のような文章がありました。

「端的」で読みやすい文章例

しかし、それらの原点はすべて子どもの視点に立つことだと考える。子どもの視点に立てば、私たちに求められている事が見えてくる。子どもたちだけでなく保護者や地域から信頼される教師になるために、私は以下の取り組みを実践する。

このように「〇:句点」を多用して、短い文章で終わらせるのが書き方のコツです。

文章のひとつひとつが端的であると、読んでいてリズムが出てきて理解しやすくないですか?

逆に、同じ文章がこんな書き方になると「冗長」になってしまい、分かりづらい文章になります。

「冗長」で読みにくい文章例

しかし、それらの原点はすべて子どもの視点に立つことだと考えるし、子どもの視点に立てば、私たちに求められている事が見えてくるので、子どもたちだけでなく保護者や地域から信頼される教師になるために、私は以下の取り組みを実践する。

文章が「冗長」になると、言いたいことが分かりにくくなり、読んでいる側にとってストレスです。

リズム良く、ひとつひとつの文章の意味がスッと頭の中に入ってくるような文章を書くためには「端的な文章にするコト」が大切です。



まとめ:教員採用試験の論作文・小論文は「独特のクセ」に合わせた書き方で対策を

教員採用試験の論作文・小論文で正しい書き方を実践して合格を勝ち取ろう

教員採用試験の書き方は論作文・小論文に限らず「独特のクセ」があります。

そのクセを知らずに一生懸命に対策をしたところで、合格ラインにはなかなか届きません。

教員採用試験の目的を考えれば当然のことです。

「即戦力」になれそうにない人は、残念ながら落とされて当然の試験なのです。

逆に言うと「独特のクセ」があることは対策しやすいと言えます。

シッカリと、教員採用試験の方向性や独特のクセに合わせた書き方をマスターするための対策を積み重ねて、来夏の教員採用試験に備えましょう。

頑張ってくださいね。