「論作文・小論文」対策は練習より準備~失敗しない準備の3ステップ~

教員採用試験の勉強法「小論文・論作文」

この記事では、教員採用試験の論作文・小論文対策の進め方を3ステップに分けて具体的に紹介します。

教員採用試験の論作文・小論文は一般的な就職試験とは違って独特です。

採点者に「教壇に立って良し」と判断される論作文の特徴や、効果的な勉強法を知り、かしこく教員採用試験を攻略しちゃいましょう。

※本記事では、論作文・小論文を「論作文」とまとめて表現します。
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 教員採用試験の「論作文対策」は練習より「準備」

教員採用試験の「論作文対策」のメインを「書く練習」だと考えている方はいませんか?

文章を書く練習を積み重ねて「文章力」を向上させることも大切ですが、教員採用試験の論作文は「論作文ネタの準備」がとても大切です。

なぜなら、教員採用試験の論作文は、教師として仕事をする中での課題に対する「解決策」や「取り組み方」が大きく問われるからです。

つまり、教員採用試験の「論作文」対策で失敗しないためには書く練習以上に「ネタの準備」を充実させることが大切なのです。

 教員採用試験「論作文ネタの準備」3ステップ

教員採用試験の「論作文ネタの準備」は以下の3ステップで進めましょう。

教採「論作文ネタの準備」3ステップ
  1.  教職に関わる「知識や経験値」を高める
  2. 「絶対A判定」の「持ちネタ論作文」を作る
  3. 自作の「持ちネタ論作文」を暗記する

以下に、それぞれのステップについて説明します。

 ① 教職に関わる「経験や知識」を高める

まずは、教職に関わる「経験や知識」を高めましょう。

教員採用試験の論作文では 「自分が教師としてやってみたいと思う実践」 を 「理想論でなく現実的な範囲」で書くコトが大切です。

教員採用試験で論作文は、教育に関心のない人でも書ける内容であれば当然のこと、「それはムリだろ。やれるもんならやってみい…」 と思われるような 「お花畑的論作文」 では低評価になりますす。

教員採用試験で高評価をもらえる論作文を書くためには、現実的な実践案を準備できるよう 「教職に関わる経験や知識を高める」コトが大切です。

教職に関わる「経験や知識」の高め方

つぎに「教職に関わる経験や知識を高める方法」について考えます。

具体的には、以下の方法を挙げることができます。

経験や知識の高め方
  • 教職教養の勉強をする
  • 講師経験をする
  • 教育実習をする
  • 疑似体験をする

「教職教養」の勉強で知識を高める

現場で教壇に立つ中で「教職教養の知識」が活きることは少なくありません。

従って「教職教養の知識を裏付けとした教育実践」 を論作文試験で述べることは「間違いなくプラス評価される」と言えます。

論作文で使える知識を増やすために「教職教養」の対策をガッチリ進めましょう

特に「教育心理」「教育法規」「教育時事」で得られる知識は論作文でも活かせます。また、教職教養試験での出題頻度も高いので、優先順位を上げて取り組むことをおすすめします。

「講師経験」で経験値を高める

「現場経験値」を稼げる「講師経験」を積むことも有効です。

なぜなら、教師業の中心となる「授業と生活指導」を通して問題解決する考えを具体的に書けると、評価が高くなる傾向があるからです。

教員採用試験の論作文では「現実的な教育実践や考え」を述べることがポイントです。「お花畑的論作文」は評価されません。

その点で講師経験者は、現場で様々な児童・生徒の反応を見聞き、対応をします。現実的で具体的な対策を書けるよう、講師経験を活かしましょう

「教育実習」で経験値を高める

教育実習は、殆どの受験者が経験している貴重な「現場経験」です。

少なくとも2週間、多い人は4週間…現場で子どもたちの活動、先輩教師の立ち振る舞いを見て、感じて、活動してきたハズです。その経験を振り返り、成功体験や反省点を再度整理しましょう

論作文の採点官にとって、論作文に書かれている内容が「実習体験によるものか講師体験によるものか」は関係ありません。知る由もありません。

教育実習での経験に基づいた教育実践を論作文の中で表現できるのであれば、高評価を得られます。モチロン内容によりますが…

教育実習での経験であっても、自信を持って論作文ネタとして活用してみましょう。

「疑似体験」で経験値を高める

そうなると、現場経験に乏しい「講師経験ナシ」の受験生は打つ手ナシ…ではありません。

「疑似体験」する機会を多く持てる工夫をしましょう。

疑似体験の方法は様々ですが、具体的には下記をあげることができます。

教職“疑似体験”の方法
  • 市販の「教育雑誌」の活用
  • 優秀な「他人の論作文」の活用
  • 面接対策資料にある「模範解答」の活用
  • 自治体のHPや出版物で公開されている「対応マニュアル」の活用

これらから「現場の実態」を学び、自分の論作文ネタに取り入れましょう

ココで気を付けたいことは、目に映るモノ全てを受け入れようとしないことです。ザックリ読んでみて「シックリ」くるモノを取り入れてください。

自分の「教育観」に近い実践例を受け入れ、それを自分の言葉伝えることを心がけてください。

論作文の評価をする上で、その内容が「実体験か否か」は関係ありません。「講師経験」が無くても、講師経験者同様かそれ以上の実践案を論作文に書ければ高評価を得られるのです

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 ② 「絶対A判定」の持ちネタ論作文を作る

経験や知識を高められたら(高めながらでもOK)論作文を執筆しましょう。そして誰が読んでも「A判定」の評価をされる「絶対A判定」の論作文ネタをひとつでも多く作りましょう

「絶対A判定」の論作文ネタを準備すべき理由

誰が判断しても高評価を得られる「絶対A判定」の論作文を準備すべき理由は、論作文評価は採点者の主観評価でしかないからです。

つまり、採点者によって評価の分かれる微妙な論作文を書くと採点官によって合否が分かれる恐れがあるからです。

予備校や通信添削など、論作文指導をしてもらう手段はありますが、どこの有料サービスで見てもらっても、結局は「採点した人の主観」でしかありません

つまり、ある添削サービスでは「A」評価だった論作文を、そのまま他の添削サービスに評価してもらうと「B」になる・・・ということが普通にあります

プロの有料添削サービスを利用しても、採点官によって評価が変わるコトがあるということは、実際の教員採用試験でも採点官によって評価が分かれると考えるべきです。

大切なのは、「有料添削サービスですら主観評価になる」という現実を受け入れ、「誰が評価してもAになる可能性が高い論作文ネタ」をひとつでも多く準備するコトです。

「絶対A判定」の論作文ネタの作り方

誰が採点しても高評価を受けられる「絶対A判定」の論作文をどのように作るのか。

それは「同じ論作文を複数の人に採点してもらう」しかありません。

  • 有料添削サービス
  • 教員採用試験で論作文の採点経験がある人

あたりを頼り、採点者によって評価がブレにくい論作文ネタを探っていくしかありません。手間と時間が掛かりますが、やっただけ効果はあるハズです。

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教員採用試験「論作文」で合格点をもらえる作文ネタの作り方

教員採用試験の論作文で「聞かれ得るコト」は限られている

教員採用試験の論作文で出題される「テーマ」は星の数ほどあります。

しかし、問われている「教師としての知識・経験や教育観」は案外共通していることが多く、限られています。

例えば下記の論作文テーマについて考えてみましょう。

  • いじめ問題にどう取り組むかあなたの考えを述べよ
  • 子どもたちの心を育む教育について述べよ
  • 安定した学級づくりのために必要と考える取り組みを述べよ

これらのテーマは字面は違いますが、上手に解釈すれば「同内容の論作文ネタ」で書くことができます。つまり、教員採用試験の論作文テーマは星の数ほどあっても「問われているコト」は限られているということです

したがって、どのようなテーマが出題されても対応できる 「論作文の絶対的な力をつける」 よりも、誰が評価してもA評価をもらえる可能性が高い「絶対A判定」の論作文ネタを複数準備して覚えてしまうほうが効果的と言えます。

「絶対A判定」の論作文ネタを5つ準備しよう

では誰が採点しても高評価をする「絶対A判定」の論作文をいくつ準備すべきなのか。

こればかりは明確に伝えるのは難しいですが、目安として「5つ」準備できれば良いと思われます。私は「絶対A判定の論作文4つ」と「AとB判定を受けた論作文2つ」の計6つを準備しました。

そして、準備する5つの論作文は「色の違うテーマ」であるコトが大切です。

例えば「いじめ対策」をテーマにした論作文を5つ準備するのはナンセンスです。

どのような系統のテーマが出てきても対応できるよう、基本的に1つの系統にひとつ準備するのが理想です。

設定するテーマは時々のトレンドを把握し、狙われそうな切り口の課題を優先順位をつけて準備しましょう。

 ③「持ちネタ論作文」を暗記する

「絶対A判定」の「持ちネタ論作文」が複数できたら、それらを暗記しましょう。

私は「持ちネタ論作文」を全て暗記し、暗唱できるようにしました。

書き言葉のルールも同時に習得したいのであれば、一字一句を逃さず暗記するよう心掛けましょう。

それが厳しければ、その内容を自分の言葉でキッチリと語れるように暗記しましょう。

 教員採用試験「論作文ネタの準備」は面接や討論にも活きる

いかがでしたか?

教員採用試験の論作文対策は「練習」以上に「準備」が大切なことを理解いただけましたか?

実は、論作文ネタを準備して暗記してしまうと、論作文だけでなく「面接」や「討論」も楽になります

なぜなら、論作文も面接も討論も、出し方が違うだけで「教育観」が問われている点では同じだからです。

もちろん、論作文の場合は「文章力」、面接の場合は「表現力」、討論の場合は「協調性」など、他の力も問われます。しかし「教育観が問われる」という点では共通しています。その共通点を「論作文の準備」でクリアしてしまうのです。

「論作文ネタの準備」は「論作文」と「面接」と「討論」の対策を同時に進めるコトだ…と考えれば、こんなにオイシイ話はありませんよね。

ぜひ、最高の「論作文ネタ」を準備して、教員採用試験を突破する力をつけてください。

頑張ってくださいね。