この記事では、教員採用試験で不利と言われる「講師経験の無い受験生」が、そのハンデを覆し、合格するための方法をお伝えします。
講師経験者が有利とされているのは「講師経験を通して教育現場を知っている」からです。ということは、講師経験がなくても「教育現場を知るコト」ができれば問題ないと言えるはずです。
ココで紹介する「講師経験以外で教育現場を知る方法」を実践し、ぜひ教員採用試験の一発合格を実現させてください。
目次
教員採用試験の合格率をアップさせる「講師経験」
教員採用試験は「即戦力」を求めています。
なぜなら、現状の公立学校において教員採用試験に合格した「新任教師」は、研修らしい研修を全く受けないまま現場に放り込まれ、子どもたちの指導にあたるからです。
したがって、受験生を「即戦力」と評価をする基準のひとつに、「教育現場の現実」を理解しているかどうか…があります、これは間違いありません。
つまり
実際、教員採用試験の論作文・面接・討論などで高い評価される発言・執筆内容は「理想論」より「現実論」です。
試験で「自分の理想」を声高らかに語るよりも、「教育現場で起こりうる課題に対し、どのように対処していこうと考えているか」を「現実的な考え方=現実論」で表現できるほうが合格率がグンと高まります。
そのためにも、「教育現場体験=講師経験」をすることは「極めて有効」と言うことができます。
講師未経験者の教採合格には「疑似体験」がおすすめ
では、「講師未経験者」は教員採用試験に合格できないのか?そんなことはありません。
その証拠に、毎年の教員採用試験で多くの講師経験者がその利を活かせず悔しい思いをしています。
その一方で、講師経験のない受験生がたくさん合格しています。
ちなみに、筆者だいぶつも「講師経験ナシ」で一発合格しています。
しかも、負けなしの3府県3連勝。
いずれの自治体も上位合格で、特に希望自治体では受験者900人中11番での合格でした。
900人中の11番であれば、採用倍率が50倍を超えるような「超買い手市場」であっても合格できるレベルの結果です。
つまり
のです。
そんな筆者が教員採用試験対策で重視していたのが「教育現場の疑似体験」です。
例え講師経験がなくても、講師経験者と同様かそれ以上に「教育現場の現実」を理解し、それに基づいた「実践案」や「教育観」を教員採用試験で表現することができれば、教員採用試験に合格できる…と考えていたからです。
それでは、以下に筆者が実際に実践した、教員採用試験に勝てる力を培うための「教育現場の疑似体験方法」を4つ紹介します。
教員採用試験に役立つ「おすすめ教育現場の疑似体験法」4つ
では、どのようにすれば「教育現場の疑似体験」ができるのか。その具体例を以下に紹介します。
- 教育雑誌の活用
- 優秀な論作文の活用
- 面接や討論の「模範解答」の活用
- 自治体から公開されている「対応マニュアル」の活用
疑似体験法①
教育雑誌の活用
学校教育について書かれた「教育雑誌」を読みましょう。
ココでは教育書よりも「教育雑誌」のほうがおすすめです。なぜなら、雑誌のほうが最新情報を掲載しているケースが多いからです。
これらの教員採用試験の受験生をターゲットにした教育雑誌には、様々な立場の現役教師の仕事ぶりについて書かれた特集記事がよく掲載されています。それらに目を通すようにしましょうう。「現場の課題」やそれに対する「対応案」などについて、未経験者にとって学べるコトがたくさん書かれています。
- 教員養成セミナー(時事通信社)
- 教職課程(協同出版社)
- 教育技術:小1~小6(小学館)
教員養成セミナー(時事通信社)
「教員養成セミナー」は、教員採用試験を目指す受験生を対象に時事通信社が発行している月刊誌で、筆者だいぶつも利用していた雑誌です。
各自治体別の傾向、最新の法規や答申、現役教員や教育評論家へのインタビュー記事など「教員採用試験に必要な情報」を毎月網羅的に提供してくれる雑誌です。
YouTube「教セミちゃんねる」で動画配信サービスも行っていて、教員養成セミナー購入者はその恩恵をフルで受けることができます。
また、デジタル版もあります。
予備校などに通わずに独学で対策を進められる方や、教育雑誌に教員採用試験に関する幅広い情報を求められる方を中心にオススメできる雑誌です。
教職課程(協同出版社)
「教職課程」も、先の教員養成セミナーと同様に、教員採用試験を目指す受験生を対象に協同出版社が発行している月刊誌です。
教員採用試験に役立つ情報が掲載されているという点では、ほぼ教員養成セミナーとかわりませんが、比較的「読み物」記事が多く、現役教師や大学院生なども読んで役立つ内容になっています。
「疑似体験」することのみを教育雑誌に求めるのであれば、こちらのほうがオススメです。
動画によるサービスやデジタル版はありません。
教育技術(小学館)
若手を中心にした現役教師を対象に出版されている「初心者向けの実践雑誌」です。筆者だいぶつが「疑似体験」で主に活用したのがこの雑誌です。
小学校1年生~6年生まで、学年別に毎月発行されている月刊誌です。
特に、各単元ごとの授業例が簡単にまとめられているコーナーがあり、展開例などをたくさん閲覧することで大雑把ではあったものの「授業構成の知識」を得ることができたと感じています。
購入するのも良いですが、各学年分を毎月6冊…はなかなか厳しいです。なので私は、大阪市立中央図書館で乱読させていただきました。
他の自治体でも大きな図書館では開架雑誌として自由閲覧できるようになっている可能性があります。その場合は購入しなくても良いですね。
疑似体験法②
優秀な「論作文」の活用
「優秀な論作文」を読んで参考にしましょう。
それらにたくさん触れて、現場経験のない自分に「疑似体験」させるのです。
例えば、先に紹介した「教員養成セミナー」や「教職課程」などの教員採用試験対策に特化した雑誌には、論作文指導コーナーがあるはずです。そこには毎月、優秀な論作文やそれに対する講評が書かれています。
論作文への講評を参考にしながら「高評価を受けている論作文の内容」を確認しましょう。
また、受験仲間が添削サービスの専門家から「A判定」をもらった論作文があれば、参考に見せてもらいましょう。
疑似体験法③
面接や討論の「模範解答」の活用
面接の模範解答に触れましょう。
面接に関する出版物やサイトには、面接の質問と模範解答があります。
何れも「優秀な論作文」と同様に
その中から場面指導に関する質問を中心にした「論作文でも使えそうな解答」をチェックしましょう。
「ああ、こういうことを書けば(言えば)いいんだ」と理解しましょう。
何でも良いのではありません。
たくさんある模範解答の中で「自分ならコレかな」と、自分の教育観と合致するものを選ぶようにしましょう。
疑似体験法④
自治体から公開されている「対応マニュアル」の活用
各自治体の教育委員会で現場の教師向けに出されている「対応マニュアル」があれば、チェックしましょう。
ダウンロードもできます。
現場の教師向けの「対応マニュアル」ですから、もうそのまま「答え」ですね。
こういった資料から「現場で求められている現実的な対応」について学べます。
モノによっては数十ページに及ぶものもありますが、おおよその傾向や考え方を理解するためにも目を通しておいて損はないでしょう。
すべて読み込むのではなく、必要に応じて情報を取捨選択しましょう。
また、受験予定の自治体で公開されていなくても、他の自治体の公開資料に目を通せば良いでしょう。教育委員会から現場に求める基本的な考え方に地域差はほとんどありません。
教員採用試験合格に必要なのは「現実論の提案力」
教員採用試験の合格に必要なのは「講師経験」ではありません。
です。
そのポイントを抑えるのに「講師経験」は有利です。
しかし、「講師経験」をしていても、教員採用試験で「現実的な対応案」を表現できない受験生には逆に「講師経験」がマイナスに作用する可能性があります。
「講師やってるのにそんなことも分かってないのか…」
と思われる可能性があるということです。
今まで何年も講師として現場経験を重ねてきたのにもかかわらず合格できなかった人は、ご自身の教員採用試験での発言や執筆内容を振り返ってみてください。
せっかくの現場経験を活かすことなく、お花畑的な理想論に終始していたのであれば、即修正しましょう。
みなさんが、来夏の教員採用試験に合格されることを願います。
頑張ってください。
▼教採における講師経験のメリット&デメリットについて知りたい方はこちら。