教員採用試験で合格を大きく左右する試験のひとつに「面接」がありますが、どんなに準備や練習を重ねていても、ちょっとした行き違いや緊張感で面接中に沈黙を作ってしまうことってありませんか?
面接に関する参考書や受験雑誌にも「面接での沈黙は絶対にNG」と書かれていたりするので、面接本番で沈黙を作ってしまうと
って思っちゃいますよね。
しかし、面接での沈黙は、ちょっとしたコツを知って工夫をする準備をしておけば、マイナス評価にならないようにできます。場合によっては、プラス評価に反転させることもできます。
この記事ではそのような「面接での沈黙を合格に結び付けるためのコツ」を紹介します。
ぜひ参考にしていただき、面接で沈黙を作ってしまっても合格できる力を身につけてください。
目次
面接の沈黙は絶対にダメではない
まずは大前提の確認をして、面接の沈黙に対する考え方を最適化しておきましょう
よく言われる「面接での沈黙は絶対にダメ」という考え方が、必要以上に受験生を苦しめています。
しかし「絶対にダメ」というのは言い過ぎです。そんなことはありません。
確かに、面接での沈黙は受験生的にはピンチです。でも、採用側にとっての沈黙は、受験生を採用するべきかどうかを判断するポイントのひとつにすぎません。
面接での沈黙はあるよりは無いほうが良いですが、考え方、捉え方、対処の仕方によっては合格に近づくチャンスにもなり得る場面なのです。
面接の沈黙を合格に結び付けるコツ
だからこそ、面接で沈黙を作ってしまった時に適切な対処ができるよう、事前にシッカリと心がまえをしておくことが大切になってきます。
ここからは、面接での沈黙を合格に結び付けるためコツとして有効な心がまえをいくつかご紹介します。
① 面接での沈黙はOKと割り切る
面接の沈黙を合格に結び付けるコツのひとつめは
ことです。
本当に分からなければ、落ち着いて沈黙を作って返答を考えましょう。
誤解しないでいただきたいのは「面接で沈黙しても良い」というコトではないです。
沈黙は無いに越したことはありません。しかし、どうしようもなかった場合は仕方がありません。
沈黙を作らないことに拘りすぎて、慌てて訳の分かないコトを返答してしまったり、即答で「分かりません」と返答してしまうよりは、多少なりとも自分の頭で考え、何とか答えを見つけようとする姿勢を見せることは決して悪い事ではないということです。
沈黙時間と回数に気をつけよう
面接で、どうしても適切な返答が思い浮かばない…そんなやむを得ない場合の沈黙はOKである…と割り切るとは言え、何事も限界があります。
あくまで個人的な感覚ですが、以下の程度が許容範囲だと思われます。
- 沈黙の長さ:2~3秒程度、長くて5秒程度
- 沈黙の回数:30分の面接で2回程度
面接中の沈黙に対して、採用側に減点などのルールはおそらくありません。
その証拠に、私の知るところでは4回も沈黙したのに合格できた人がいます。そして、私も受験生時代に1回沈黙したことがありましたが、その自治体も合格できました。
なので、どうしても分からない質問が来た時に沈黙してしまっても構わない…と割り切っておきましょう。
このことをまずマインドセットするだけでも、皆さんの面接に対するハードルが下がり、気を楽にして面接に臨めるようになるのではないでしょうか。
②キメ台詞を準備しておく
面接の沈黙を合格に結び付けるコツのひとつめは
ということです。
受験生にとって、面接での沈黙はピンチです。
なので、ピンチの時になってから慌てるのではなく、沈黙してしまったときにダメージを最小限にとどめるために「言うこと」を準備しておきましょう。
そうすることで
- 面接官に失礼にならない形で沈黙時間を稼ぐ
- 自分がピンチの時に適切に対応できることをアピールする
- 安心して面接に臨む
ことができるハズです。
具体的な「キメ台詞案」としては、以下のような例を挙げることができます。
- 申し訳ありません。質問内容を確認させていただきたいのですが、●●ということで良かったでしょうか。
- 申し訳ありません。もう一度 質問を聴かせていただけますでしょうか。
- 申し訳ありませんが、少し考えるお時間をいただけますでしょうか。
案①であれば、面接官から
と言う類の返答をもらえるはずです。
もし勘違いがあれば、その間違いを訂正してもらえるはずです。
なので
とお礼を言った後に、もう数秒間沈黙を入れることができるでしょう。
案②であれば
おそらく面接官が質問をもう一回言ってくれることと思われます。
なので、案①と同様にお礼の言葉を伝えた上で、改めて返答を考えてみれば良いと思われます。
また、この案②の場合は、面接官が質問を言ってくれている間も考える時間に使えるはずです。
そして案③であれば
おそらく
と言ってもらえると思います。
なので、案①②と同様にお礼の言葉を伝えた上で、返答を考える時間を持たせてもらうと良いでしょう。
③素直に自分の力不足を認める覚悟を持つ
沈黙を作っても適切な返答が思い出せない場合もあります。
それは恥ずかしい事ではありませんし、不合格が決定するわけでもありません。
むしろ、面接官に良い印象を持たせるために
が大切です。
意地になって無理やりにでも答えを出そうとしたがために、意味の分からない返答をしてしまったり、矛盾が生じて揚げ足を取られてしまったり、焦って挙動不審な態度になったりするとマイナス評価を受けてしま可能性が高まります。
なので、沈黙を作っても適切な返答が思い出せない時は、自分の力の無さを認めて潔く降参しましょう。
返答ができない時のキメ台詞
面接で沈黙を作った上に適切な返答できなかった場合、その事を丁寧に面接官に伝える必要があります。
この場合も事前にキメ台詞を事前に用意しておくと、安心して本番の面接に臨むことができるでしょう。
といった淡泊なものではなく
- 自分の力不足を認める「素直」な気持ち
- 勉強し直して足らなかったところを補っていきたいという「前向き」な気持ち
- 丁寧な言葉を使おうとする「誠実」な気持ち
を落ち着いて言葉にして面接官に伝えられるようなキメ台詞を準備しておきましょう。
以下にひとつ例文を挙げておきます。
考えるお時間を頂いたのですが、勉強不足で適切な内容を思いつくことができませんでした。申し訳ありません。このことは自分の至らない点だと自覚(反省)して、この試験が終わった後すぐに勉強し直しておきたいと思います。
面接官は受験生がどのような失態をしたとしても「素直・前向き・誠実」な言葉と態度が現れることを期待しています。
現場に立って失態をした時に「素直・前向き・誠実」な言葉と態度で対応できることを確認したいからです。
なので、沈黙を作っても適切な返答が思い出せなかった場合は「素直に自分の力の無さを認める覚悟を持つ」という心構えをしておきましょう。
面接での沈黙対策は自分に完璧を求めないことが大切
これは、私自身が民間企業の採用試験や教員採用試験の面接を経験して感じたことですが
ということが大切だと思います。
具体的には、準備したコトのうち7割くらいを面接で出すことができれば充分である…と割り切って臨むことが大切です。
例えば、面接でのある質問に対して3つの答えを準備していたのに2つしか思い出せない・・・ということはよくあることです。
そんな時は、無理に忘れた3つ目を思い出そうとしなくていいのです。3つ目にこだわるあまりに面接中の沈黙を作ってしまう可能性が高まります。思い出した2つだけを、自信を持って答えれば良いのです。
そうすれば、面接で沈黙する回数を最小限に減らすことができるに違いありません。
その上で、万が一で沈黙があった時のために、今回お伝えした「面接での沈黙を合格に結び付けるコツ」を心がまえしておけば、面接での沈黙を合格に結び付けられる対策は万全と言えるのではないでしょうか。
みなさんがこの記事で学ばれたことをうまく活用され、教員採用試験での合格を勝ち取られることを願っています。
頑張ってくださいね。
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