この記事では、教員採用試験に合格された方や講師として教壇に立たれる新任教師の方に向けて
についてお伝えします。
本記事を参考にして、着任までの準備を意義のあるものにしていただければ幸いです。
目次
新任教師が着任までに準備すべき「子ども理解」とは何か
「子ども理解」とは、小学校で言う「児童理解」、中学校や高等学校で言う「生徒理解」のことです。
一般的には、一人一人の子どもの特性を理解することを「子ども理解」と言われますが、ここでの「子ども理解」とは
- 年齢に応じた「発達段階」
- 発達障害などの「特性」
といった
です。
着任する前から、子どもたち一人一人について理解するのは不可能ですが
- 「小学校1年生」はこんな感じ
- 「小学校高学年女子」はこんな感じ
- 「中学生の不登校生徒」はこんな感じ
- 「ADHDの子ども」はこんな感じ
- 「アスペルガー症候群の子ども」はこんな感じ
というふうに、ある視点から子どもたちを眺めると見えてくる「傾向」を掴むことは可能です。
着任前からこのような「傾向」を理解しておけば、着任後に触れ合う子どもたちの雰囲気に圧倒されることを減らすことができます。
また、一人一人の子どもと触れ合ってから「適切な対応」ができるようになるまでのトライアンドエラーの回数や時間を、減らすこともできます。
着任前の新任教師が「子ども理解」を進める方法
では、着任前の新任教師が「子ども理解」を進めるのに効果的な方法をご紹介していきます。
具体的には以下を挙げることができます
- 本や動画などの情報媒体から学ぶ
- 教える校種の子どもたちと直接交流する
本や動画などの情報媒体から学ぶ
「子ども理解」を進めるのに有効な方法のひとつとして挙げられるのが
です。
この方法については、こちらのブログ記事「教育技術を学ぶ方法」でも詳細を伝えておりますので参考にしてみてください。
現代はインターネット技術が進んできたことによって
- 読書(紙の本、電子書籍、オーディオブック)
- 動画(YouTube)
- 講演・セミナー(WEBセミナー含む)
など、様々な手段で情報提供されています。
内容も、広く浅いものから狭くて深いものまで「探せば何かある」状況です。
無料・有料に関わらず、タイトルなどを見て「良さそうだな」と思ったものに積極的に触れていくことをオススメします。
教える年齢層の多くの子どもと直接交流する
そして、子ども理解を進める上で有効なもうひとつの手段が
です。
小学校に勤務する予定であれば小学生、中学校に勤務する予定であれば中学生、高校に勤務する予定であれば高校生と直接交流する機会を持ちましょう。
探せばある「子どもとの交流手段」
大丈夫です。
探せばそれなりに「交流手段」はあります。
一般的な手段としては
- 公立学校
- 学童保育
- 野外活動センター
- フリースクール(NPO法人)
で働く(活動に参加する)ことなどが挙げられます。
公立学校
公立学校はどこも「人手不足」です。
ネットや役所の掲示板などで募集情報が公開されていなくても、地元の教育委員会に直接問い合わせをしてみれば、募集があることも・・・
特に、拘束時間が比較的少ない
- 学校ボランティア
- 非常勤講師
あたりはオススメです。
一方で、常勤講師はオススメしません。
人手不足な学校は、色々な意味で大変です。
最初は「小学校の専科授業担当」でお願いされていたのが、学級崩壊をして休職した担任の後を任される・・・なんてことが発生することがあります。
そうなると、着任前に心身ともにボロボロになる可能性があります。「常勤講師」として公立学校に入る場合はそれなりの覚悟が必要です。
という方は頑張ってください。
常勤講師として子どもファーストで過ごす日々が、着任後の教師生活にプラスになることは間違いありません。
ただ、本当にしんどい学校は想像を超える大変さであることは頭の片隅に置いておいていただきたいと思います。
公立学校のボランティアや講師の募集については、「各自治体の教育委員会」に直接問い合わせてみましょう。
学童保育
学童保育とは、公立学校の放課後に子どもを預かる「託児所」と考えてください。
学校内の空き教室や隣接された建物の中に設置されていて、宿題をする時の補助をしたり一緒に遊んだりと、子どもたちのサポートをします。
もちろん、責任のある仕事ではありますが、学校でガッチリ働くよりは緩く子ども達と関わることができるのでオススメです。
学童保育での勤務に関する募集については、「各自治体の教育委員会」に直接問い合わせてみましょう。
野外活動センター
各自治体が持っている野外活動センターで働くこともできます。
学校や地域単位で施設を利用する子ども達が参加する、キャンプファイヤー、森林探検、ワークショップなどののサポートをします。
日々、さまざまな子ども達が入れ替わりで訪れるので、個々に深くかかわることはできませんが、幅広い学年、年齢、個性に触れることができます。
教師として着任した後でも、宿泊学習や合宿などで利用することが多いので、キャンプファイヤーや野外炊飯の知識や経験を高めるという意味でもプラスになる事が多い仕事と言えそうです。
野外活動センターでの勤務に関する募集については、施設の主体である教育委員会(県立なら県教育委員会、市立なら市教育委員会)や該当施設に直接問い合わせてみましょう。
フリースクール(NPO法人)
フリースクールは、さまざまな事情で学校に行けない子どもたちを受け入れる教育機関です。
目的により大きさや施設、運営形態はさまざまです。運営主体も公立は少なく、個人、民間企業、NPO法人などさまざまな主体があります。
活動内容は教科学習を始め、フリースクールに通う子どもたち同士の交流を図るためのイベントなどの活動をサポートすることが中心になります。
様々な深い事情を背景に持った子どもたちへの理解を深めることができますが、その分対応が難しく、悩むことも多々あるかもしれません。
フリースクールでの勤務に関する募集については、直接施設に問い合わせをしたり、ボランティアやアルバイト募集のWEBサイトなどを参考にして問い合わせをしてみましょう。
まとめ:
教師の仕事に限った話ではありませんが、仕事は「着任してから学ぶことが多い」です。
どれだけ着任前までに事前に準備をしても、何事もなく教師生活が順調に進むことはありえません。
大切なことは
です。
といったふうに、手段を限定して自ら学ぶ機会を潰さないようにしたいものです。
本も動画も講演・セミナーもSNSも・・・未知の情報に触れられる機会であることに変わりありません。様々な手段を使って、新しい発見をして、新しい可能性を広げていきましょう。
何より、新しいモノに触れてみることへの抵抗感をなくしましょう。
みなさんの春からの教師生活が素晴らしいものになることを願っています。
頑張ってくださいね。
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