教員採用試験(教採)に合格されたみなさん「おめでとうございます」。
来春から教壇に立たれることが決まった今、新しい仕事や子どもたちとの出会いに対する期待と不安でいっぱいだと思います。
そんな中、誰もが抱く
「着任までに準備として何をすべきか」
という疑問について、本サイトでは以下のように整理をしてお伝えしています。
- 【Step0】準備の前に準備すべきこと
- 【Step1】合格後すぐ(10月~2月中旬)に準備すべきコト←今回コレ
- 【Step2】着任1か月前(2月中旬~)から準備すべきコト
- 【Step3】着任直前(3月中旬~)に準備すべきコト
- 【 +α 】教師=人としての魅力を高められるコト
- 【 番外 】教育スキルを高めるコト
今回は【STEP1】の「合格後すぐ(10月~2月中旬)に準備すべきコト」についてお伝えします。
教員採用試験に合格してから着任まで、約半年間という長くて自由な期間があります。この期間を利用して
比較的時間のかかる準備「着任までに準備すべき最低限のスキル」を身につける行動
を起こしましょう。
新任教師が「着任までに準備すべき最低限のスキル」とは、以下の4つであると考えます。
- パソコンスキルの習得
- 自動車運転免許の取得
- 教養の習得
- SNSでの情報受発信力の習得
これらのスキルは、どれも習得に時間が掛かります。
なので、未習得であれば、できるだけ早く習得のために行動を起こす必要があります。
ここでは、それぞれのスキルに関する詳しい内容を習得すべき理由とあわせてご紹介します。
▼「新任教師の準備」について、合格直後から着任直前まで「全体の流れ」を知りたい方はこちら
目次
スキル① パソコンスキル
日常生活ではスマホの普及でタブレットの活用が主流です。そして、国が推進しているギガスクール構想で児童生徒に1人1台配布されるのもタブレット形式です。
しかし、私たち教師はタブレットに加えて
パソコンを仕事で使いこなすこと
が要求されます。
なぜなら、今の教育現場ではパソコンを使って通知票、学年だより、学級通信、学習教材などを作成するが当然になってきているからです。
それを受けて、多くの自治体では教職員にノートパソコンを貸し出す流れが広がっています。つまり、パソコンを使って仕事をするのがアタリマエ になってきているのです。
しかし、難しいソフトを使いこなしたり、設定をしたり、プログラムをしたり…といった高度なスキルは要求されません。
そしてこの記事で紹介する「身につけておくべきパソコンスキル」も
「無いと絶対に困る」レベルの 最低限必要なスキル のみ
です。
なので、万が一身についていないのであれば、必ず着任までに身につけておいてください。
新任教師が「着任までに準備するべきパソコンスキル」は、主にこの2つです。
- Microsoft Office ワード&エクセルの基本操作
- ブラインドタッチ
以下に詳しく説明します。
Microsoft Office ワード&エクセル
の基本操作
MicrosoftOfficeの「ワード」と「エクセル」については、基本的な機能が使えるように準備しておきましょう。
今の学校は、教職員がMicrosoft Officeの「ワード」と「エクセル」を使えることが前提で環境が整備されています。
とは言え、ワード・エクセルが持つあらゆる機能を使いこなす必要はありません。
「Word:ワード」
は学年だよりや学級通信を始め、ワークシートを自作する時など幅広く使われています。
これらの仕事を進めるためには、以下のような、基本的な機能が使えるようになっていれば大丈夫です。
- 文章の書き込み
- 文字の装飾
- 図表や画像の挿入
校務分掌では、前年度の担当者がワードで作成したデータの一部(日付など)を修正するだけで仕事が完了する場合もあります。なので、ワードがある程度使えると、文書作成に掛かるコストパフォーマンスは格段に向上します。
手書きに自信がある人も必ず使えるように準備しておきましょう。
「Exel:エクセル」
は集計作業や一覧表などの作成で使われます。
公立学校は情報のデータベース化が整備されていない(現在進行中)ので、集計のにエクセルを使うことがあります。
エクセルは以下の機能が使えるようになっておけば、仕事で困ることはないでしょう。
- 簡単な表の作成
- 合計・平均など、基本的な計算プログラム(関数)の設定
- 入力データを元にした各種グラフの作成
- 図表のや画像の挿入や装飾
担当になればエクセルで集計ツールを作ることもあります。
そうでなくとも「エクセルにある表に数字を入力しておいてください」と依頼された場合、エクセルに慣れていないと不便を感じます。
必ず使えるようになっておきましょう。
書籍とYoutubeで学ぶのがオススメ
Microsoft Officeの「ワード」や「エクセル」については、スクールに通ったり学習用ソフト学ぶも良いですが、Youtubeの動画を活用して学べるコチラの書籍がオススメです。
この書籍を参考に、チャンネル登録者数が40万人を超えている(2020年9月現在)Youtubeの動画で学ぶ方式で、動画は講師の音声による丁寧な説明もあります。
初心者から中級レベルまでの機能を、動画で実際の「ワード」や「エクセル」の画面を見ながら学べます。
同じくMicrosoft Officeにある「パワーポイント」は、ワードやエクセルほどの重要ではありません。
新任教師の段階でパワーポイントを使ってプレゼンテーションしなければならない場面はそうそうないはずです。
また「パワーポイント」の各機能の表示ボタンなどは「ワード」や「エクセル」と似ています。なので「ワード」と「エクセル」に慣れておけば「パワーポイント」の操作に慣れるのに時間は掛かりません。
そういう意味でも、まずは「ワードとエクセル」を使えるスキルを準備しておくことをオススメします。
ブラインドタッチ
ブラインドタッチのスキルは、パソコンを使った仕事のスピードを格段に向上させます。
必ず着任までにできるように練習しておきましょう。
ブラインドタッチとは
のことです。
これができないと、パソコンで文章を書くのに時間とストレスがかかります。
一見難しそうですが、取り組んでみると意外と短時間で習得できます。
私は学生時代に1日30分の練習を10日くらい続けるだけで、ブラインドタッチができるようになりました。
ブラインドタッチ練習用のフリーソフトもネット上にたくさんあります。有料ソフトも1000~3000円で販売されています。その中で気に入ったものを使えばよいでしょう。
おすすめタイピングソフト
こちらのソフトは、値段が1000円以下と安い点と、ひととおりのタイピングに関する練習を抑えられているという点でオススメできる練習ソフトです。
指の位置から覚えられる点、そして、図表などを豊富に使っている点で、パソコンに慣れていない人にも安心して使ってもらえます。
パソコンのタイピングは「指の位置」が大切です。指の位置に自信のない方は、我流ではなく一般的な指の位置を習得されることをおすすめします。
練習ソフトを選ぶ際に「指の位置」から練習できるものを選ぶことをオススメします。
スキル② 自動車運転免許の取得
自動車運転免許は仕事でも私生活でも何かと役に立ちます。
まだ取得されていない場合は、すぐにでも取得しましょう。
自動車運転免許の取得を勧める理由はまず、通勤で自動車を使う自治体があるからです。政令指定都市レベルの大都市圏でなければ、おそらく自動車通勤が基本になると思われます。
また、学校行事の関係で車の運転(荷物運び)が必要になることもあります。
そもそも新任教師として、または異動などで着任する学校に自分の仕事道具などの荷物を持ち運ぶ時に車があると便利です。
そうでなくとも、日常生活で近場に気軽に移動したり、休暇中の旅行にレンタカーを活用したりと、車を活用して行動範囲を広げられるようにしておくと便利です。
また「運転免許証」は身分証明の必要な場面でも役に立ちます。
自動車学校への通学であれば3か月ほどで取得できますし、短期(約1ヵ月)で集中して取得したければ短期合宿を利用するのもいいでしょう。
スキル③ 教養の習得
教職員は「社会人の一員」です。
保護者との関わりはもちろん。同僚や先輩の先生方との関わりでも
「幅広い教養」
が問われます。
まずは「基本的なマナー」の習得を
人と接する際の「基本的なマナー」を習得しておくように準備しましょう。
教師の仕事は「接客業」であり「サービス業」
だと考えるべきです。
万が一で、あなたは着任1週間以内に「家庭訪問」で保護者対応をすることになるかもしれません。
そうでなくとも、着任したその日から職場の先輩方や同僚に対して失礼にならない立ち振る舞いができるようにしておきたくないですか?
世の中にイロイロな考え方の人がいる以上
世の中的に「常識」とされているコト
を学び 「万人に受け入れられる立ち振る舞いとは何か」 を知っておくべきでしょう。
具体的に以下の3点は、意識しなくても実践できるように準備しておきたいところですね。
- あいさつ
- 敬語
- 身だしなみ
自信のない人は、アルバイトなどで接客のある仕事を選んでみるか、ビジネスマナーを勉強できる講習会に参加したりするなどして学んでも良いでしょう。
また、以下のようなビジネスマナーについてまとめられた本を一読しておくことも良いでしょう。
この本なら新社会人に向けた内容になっている上、Amazon の「KindleUnlimited」の1ヵ月無料体験期間を利用すれば、無料で読むことができます。
幅広い「教養」を身につける
日本人サラリーマンの1ヵ月の平均勉強時間を知っていますか?
な・・・なんと!
6分
と言われています。
と思っているあなた。
油断しちゃいけません。
1日6分の勉強時間すら取れないくらいに、社会人は心身ともに多忙だ・・・ってことです。
教員採用試験に合格したら勉強は終わり…ではありません。
世の中が日々進化して、1年前のことが「古い情報」になってしまう今、日々勉強して成長し続けなければ、たとえ教育”公務員”であっても充実した日常を送り続けることは難しくなるはずです。
これから新任教師として社会人の一員となるみなさんは
社会人としての生き残りを賭けて、1日6分以上は勉強して教養や社会常識を身につけられるよう、シッカリと勉強しておくことはモチロン
「勉強する習慣」や 自分に合った「勉強方法」
を身につけておきましょう。
教職以外の教養も高めよう
先にも述べましたが、これからの教師(社会人)は今まで以上に「学び」が必要になります。
教職関係はもちろん、教職以外の幅広い分野についての知識も学ぶべきです。
それは教師として、ひとりの社会人として長い人生を有意義なものにしていくために必要であると言い切れます。
例えばみなさんは以下の言葉の意味を知っていますか?
- サブスクリプション
- IoT
- ビッグデータ
- ブロックチェーン
- NFT
- GAFA
- テスラ
- ベーシックインカム
- ビットコイン
もし知らなければ「少々時代から遅れをとっているかも・・・」と危機感を持ったほうが良いでしょう。
そして、これからは教職以外にも次の分野の教養を身につけておくことをオススメします。
- ビジネスマインド(成功者の考え方)
- 心身の健康維持に関する知識
- お金に関する知識(投資・保険・為替など)
- 最新の科学技術と予想される世の中の変化
- 宗教や哲学の価値観
全てを網羅する必要はありません。
自分が興味を持った分野からで良いので、焦らず、毎日少しずつ学んでいきましょう。
「教養」を身につける方法
そして、これから教養を身につけるための勉強方法として、以下の2つを挙げることができます。
- 動画や音声コンテンツ
- 読書
低コストな「動画」や「音声」コンテンツ
現代は、Youtubeを始めとする「動画」や、インターネットラジオなどの「音声」によるコンテンツで、様々な立場の方が自らの考えや経験を発信しています。それらを活用して教養を高めることができます。
この「動画や音声で学ぶ」というスタイルは、近年急激に普及してきている学びの手段です。
低コストという点で、私も多くの情報を動画や音声コンテンツから得ています。
コンテンツ作成者以外に受けてたチェックの数が少ないため、信頼性の面でややリスクはありますが、専門性の高い裏話的な情報も入手できる点でとても魅力的です。
やっぱり勉強は「読書」がイチバン
やはり、勉強をする上で「読書」を超えるオススメはありません。
なぜなら、出版されるまでに多くのチェックを受けているという点で、本の権威と信頼性は群を抜いている からです。
先に紹介したYoutubeやインターネットラジオから発信される情報に比べて、公開される情報量は限定されますが、信頼性についてはまだまだ本のほうが高いと言えるでしょう。
もし、本を読むことを少しでも安く済ませたいのであれば、電子書籍が定額読み放題の
Amazon「Kindle unlimited」
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がオススメです。
1ヵ月980円で雑誌やマンガも含めた多くの本をスマホで読みまくれるので便利です。
しかも
初月30日間は無料体験期間
になっているので、30日間イロイロな本を読みまくって退会すれば無料のまま終われます。
教採合格後の機会に一度試してみてはいかがでしょうか。
「動画&音声」と「読書」を使い分けよう
本は動画や音声コンテンツに比べて「読書」はコスト高・・・ですが現代は「情報」も大量消費の時代です。
なので
- 基本は手軽に低コストでYoutubeやインターネットラジオで勉強
- どうしても「読みたい」分野や作者が書いた本は、コストを掛けて「読書」で勉強
というふうに、精度が粗くとも低コストな「動画」や「音声」コンテンツと、信頼性が高くとも高コストな「読書」をうまく使い分けて学ぶスタイルがオススメですね。
本が苦手な人にオススメAmazon「Audible」
教養を身につける上で、読書することがイチバンであることは理解いただけたと思うのですが
という人・・・いませんか?
実は私だいぶつもそのひとりです。
そんな活字嫌いの読書嫌いにオススメなのが
Amazon「Audible:オーディブル」
※クリックで詳細を確認できます
です。
Amazonの「Audible」とは、サービスサイトに登録をして本代に相当する課金(1500円程度)をすれば、プロの声優が本を朗読した音声をスマホなどで聴くことができる「オーディオブック」と言われるサービスです。
つまり、Youtubeやインターネットラジオを聴くのと同じように、信頼性の高い本の情報を「聴いて学べる」のです。
「オーディオブック」は多忙な現代人向けの学習方法
オーディオブックは、本の内容をイヤホンで聞くことができるので
- 家事をしながら
- 座って目をつぶりながら
- 外に出て移動しながら
読書をすることができます。
なので、わざわざ「読書」のためだけに時間を取る必要がありません。
また、慣れてくると朗読スピードを速められるので、読了までの時間を早めることもできます。
つまり、オーディオブックは多忙な現代人の生活スタイルに合った新しい学習方法と言うことができるでしょう。
筆者も「オーディオブック」愛用者
かくいう私、だいぶつもこの「オーディオブック」の愛読者です。
現在はAmazonが提供している「Audible:オーディブル」を利用しています。
活字嫌いな私でも、これらの「オーディオブック」のおかげで、毎月1500円で1冊の本を聴いて学ぶことができています。
しかも聴いている時間のほとんどが通勤時間や単純作業等をしながらなので、読書のためだけに使っている時間は「ゼロ」です。
本1冊あたり1000~1500円であることを考えると、時間とお金の両面で割安だと言えます。
🔽おすすめの「オーディオブック」について知りたい方はこちら
スキル④ SNS等での情報の受発信力の習得
SNS等をフル活用して情報の受信&発信ができるように準備しておきましょう。
これは賛否両論あるかもしれませんが「情報の受発信力」はこれからの時代を上手に生きていく上で、教師に限らず必要なスキルです。
なぜなら
だからです。
今、ネット上では、最先端の考えや技術を駆使して、日々の教育活動に取り組んでいる先輩方の多くが、惜しむことなくその考え方や技術を発信しています。
つまり、これからは学校内のせまい範囲で、縁あって知り合った先輩教師から教えられることが全てではなくなります。
そんな時代に、上手く生き抜いていくためにはインターネットを活用した情報の受発信の力が必要だということを理解してください。
まずはSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)という、無料で利用者登録をした人だけで情報のやり取りができるツールを活用できるように準備しましょう。
- Twitter(ツイッター)
- FaceBook(フェイスブック)
- LINE(ライン)
- mixi(ミクシー)
- Instagram(インスタグラム)
など、が代表的なSNSとしてあります。
個人的にオススメなのは、不特定多数の方と気軽に交流できる「Twitter(ツイッター)」か「Instagram(インスタグラム)」です。
SNSでは「炎上」と言われる、自分が発信した情報が原因で多くの人からの非難を一斉に浴びる現象も起こり得ますが、ルールとマナーを守って使っている間にそのようなことに遭遇することはまずありません。
まずは「情報の受信」に専念して、様子を見ながら利用していくと良いでしょう。
まとめ:「時間の掛かる準備」は今すぐ取りかかることが大切
今回は「合格後すぐに準備するべきコト編」として、以下のことを紹介しました。
- パソコンスキルの習得
- 自動車運転免許の取得
- マナーの習得
- SNSでの情報受発信力の習得
これらは準備に時間のかかるものばかりです。
です。
仕事が始まってから「やっておけばよかった・・・」では済まされないコトばかりです。
とくにめんどくさがり屋の方は、自分をシッカリとコントロールして早い段階で準備に取りかかるようにしましょう。
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