もうすぐ4月・・・
新任教師(新任教員)の方々は、新しい門出を前にして希望と不安で頭がいっぱいなのではないでしょうか?
そんな新任教師のみなさんが持つ多くの不安の中に「挨拶(あいさつ)」があると思うのですが、挨拶を考えるのって、正直なところ面倒だと思いませんか?
今回は、そんな悩みを持つ新任教師の皆さんに「新任教師(新任教員)が挨拶を準備するコツ」をお答えします。
教師経験10年を超える私だいぶつが、今までたくさんの方の挨拶を聴き、それぞれの挨拶に対する周りの反応も見てきたことを元にしてまとめました。ぜひ参考にしてもらい「挨拶」の不安を吹き飛ばし、もっと他のことで悩んでもらえたらと思います。
すぐに使ってもらえる「例文」も載せています。差支えの無い方は例文をそのままを使ってもらえたら…と思います。
目次
新任教師の挨拶は「3つ」ある
新任教師(新任教員)の皆さんが、着任後にしなければならない挨拶は3つあります。
それは
- 着任の挨拶
- 始業式での挨拶
- 学級開きの挨拶
の3つです。
「着任の挨拶」は、着任後すぐに職員室や会議室で行われるます。基本的に前に出て先輩職員のみなさんに向かって挨拶をします。
「始業式の挨拶」は、誰もが児童・生徒の立場で挨拶をされてきた経験があるハズなので想像しやすいと思います。始業式の中で、もしくは始業式前後の「着任式」で体育館のステージに立って、全校の児童生徒に向かって挨拶をします。
そして「学級開きの挨拶」は、学級担任を持つことになった場合に、担当する学級の児童生徒に向かって挨拶をします。
新任教師(新任教員)のみなさんは、この3つの挨拶を準備しなければならないことを覚悟してください。
そしてもうひとつ、挨拶の準備する時に気をつけたいことがあります。
それは
ということです。
少なくとも大人(職員)向けの「着任の挨拶」と、子ども(児童生徒)向けの「始業式や学級開きの挨拶」は相手が違うので、内容も違って当然です。なので、3つの挨拶を準備しなければならないということです。
そのあたりを考えて準備してくださいね。
準備も内容も…新任教師が力を入れるべきなのは「学級開きの挨拶」のみ!
新任教師(新任教員)の挨拶は、教員採用試験の「自己PR」のようなハードルの高さを感じませんか?
と重く受け止める方もいると思いますが、その必要はありません。
正直に言います
です。
職員室で行う「着任の挨拶」と体育館で行う「始業式の挨拶」については、力を入れる必要ありません。適当はダメですが、できるだけ無難で簡潔な内容に終わらせましょう。それでも問題ありません。
「着任の挨拶」と「始業式の挨拶」を簡潔で無難に終わらせることで、みなさんの教師人生が大きく左右することはまずありません。
なので、職員室で行う「着任の挨拶」と体育館で行う「始業式の挨拶」には力を入れず、教室での「学級開きの挨拶」のみ、力を入れて準備するようにしてください。
ということをお伝えした上で、以下に3つの挨拶の準備のコツや例文を紹介していきます。
「着任の挨拶」について
まず、イチバン早くすることになる、職員室や会議室での「着任の挨拶」について考えていきましょう。
着任の挨拶内容(例文)
「着任の挨拶」は、3つの挨拶の中でイチバン無難で簡潔な内容になるコトをオススメします。
先に例文をお示しすることにしましょう。
先生方おはようございます。
(礼を入れる)
今日からこちらで一緒に働かせていただくことになりました○○○○と申します。
初めてのことで、いろいろとご迷惑をおかけすると思いますが、先生方からたくさん学ばせてもらいながら一生懸命頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
(再度礼を入れる)
これで充分です。
このままのパクリでいいと思ます。
落ち着いて、ハッキリと自分の名前と頑張りたい気持ちを「素直に・無難に・簡潔に」表現しましょう。
あまり張り切りすぎると裏目に出る可能性があると思ってください。
そもそもの話ですが、みなさん、教員採用試験の集団面接や集団討論を思い出してください。
その時に求められていたことはズバリ
でしたよね?
おそらく、職員室での「着任の挨拶」の場には、皆さん以外にも複数の着任者が挨拶をするハズです。そうでなくても、誰にとっても貴重な朝の時間に自分の挨拶で時間を使うのです。そんな時に過剰な自己主張が必要だと思いますか?
そういう点に配慮して、出過ぎない「協調性」を発揮する場だと思ってください。
様々なサイトやマニュアルで「自分の色を出すこと」をススメているものがアリます。
個人的な現場目線で話をさせてもらいますと、それは「着任挨拶と始業式の挨拶」ではオススメしません。
時々、突然歌いだしたり、寸劇を始めたり・・・一発芸的なものを入れてウケを狙う人もいます。中には、自分の特技、趣味、過去の栄光を語る方もいます。
確かにウケます。
というか、教師はそういう「空気を読む」ことは長けている方が多いので、ウケるフリはしてくれます。
でも、正直なところ
と思う人が一定数いることは頭に入れておきましょう。
逆に
と思う人も一定数いるでしょう。
そうなった場合、そのキャラクターを前提にお付き合いされることになります。 もし、自分が挨拶をすた時のキャラが、いつもとは違うムリしたキャラであったなら・・・めんどくさいですよね?
特に職員室での「着任の挨拶」は、要らない自己主張による博打はやめて、確実に「60点」を取りに行ってください。
仮に、挨拶が終わった段階で
と思われたとしても、そんな評価は挨拶後のみなさんによる普段通りの立ち振る舞いで、数日以内に自然と「自分色」に染まっていきます。
安心してくださいね。
着任挨拶をする時のコツ
着任の挨拶で大切なことは
できるだけ多くの職員に「一緒に働いてもいいかな・・・」と思わせること
です。
強調したいのは「できるだけ多くの職員に」という点です。
そのためには「万人ウケする挨拶」が理想です。
言い換えると「たくさんの人に受け入れてもらえる挨拶」。
極端に言うと「印象度の低い挨拶」です。
「万人ウケけする挨拶」の条件は
- 内容が「無難」であること
- 落ち着いて「礼儀正しさ」を感させるコト
- いい意味での「若さ」を感じさせるコト
あたりで間違いないでしょう。
内容は先ほど説明しましたが「礼儀正しさ」と「若さ」を挨拶の中で表現するために
- 仕草(動き)
- 声の大きさ
に気を遣うことをオススメします。
動き(仕草)について
人間は8割は目から情報を得ると言われていますので、特に「仕草(動き)」は大切です。
例えば、例文に「礼を入れる」とあります。
この礼を入れる時は、話をしながら例をするのではなく、話し終わってから無言で礼をする「分離礼」が理想です。
自己紹介の中に、無音で「礼を入れるタイミング」があると、落ち着いた理性と良識のある人に見えます・・・不思議ですね。
あとは両手を前にして、モジモジしないことです。
男性にありがちなのですが、待っている時に左右に揺れる人がいます。
特に、自分が話をする前後は気を付けたいです。
挨拶をする前も、挨拶をした後も視線は適当な高さで一定にして、誰の顔も見ないようにしましょう。
声について
声は大きすぎず、小さすぎず、状況に応じた適正な音量になるように、頑張って出しましょう。
イチバン後ろで聴いている人に話しかけるつもりで声を出せば間違いないでしょう。
ココで緊張のあまりに声が裏返っても問題ありません。それこそ、教師は良識のある人が多い???ので、笑って終わらせてくれるハズです。
始業式(着任式)の挨拶
次に「始業式(着任式)の挨拶」について考えていきましょう。
始業式の挨拶内容(例文)
始業式(着任式)の挨拶は、職員室での挨拶とは違って、体育館で生徒や児童に向けてする挨拶です。
内容は「生徒や児童向き」に変更する必要があります。しかし、ココは無難に終わらせてイイコトに変わりありません。
なぜなら他の職員の先生方やこの1間に殆ど関われない児童生徒も聞いているからです。
例文をひとつ紹介しておきます。
みなさんおはようございます。
(礼を入れる)
今年から〇〇小学校でみなさんと一緒に勉強をすることになった〇〇〇〇と申します。
朝、みんなの様子をみていて、とても元気で挨拶のできる賢い子が多い学校だなあと思いました。
今日は緊張して、上手に挨拶できませんでしたが、これから皆さんに負けないように頑張って挨拶をしていきたいと思います。
一緒に頑張っていきましょう。
よろしくお願いします。
(再び礼を入れる)
こんな感じで充分です。
挨拶文を考える時のコツは、以下の2点を挨拶文の中に入れることです。
- ひとつ、学校の子どもたちのポジティブな第一印象を入れる
- 自分も頑張るので「一緒に」頑張りましょう…というメッセージを入れる
子どもたちのポジティブな第一印象については
- 始業式で校歌を歌っていた姿
- 始業式で整然と並んで話を聞いている姿
- 朝休みで元気に遊んでいた姿
- 始業式までに合った時に元気に挨拶をしてきた姿
あたりを褒める内容を準備していけば問題なく終わ和らせることができるでしょう。
時々、同じ挨拶をする他の先生が、突然一発芸的なものを入れてくることもあります。
それでもマイペースを貫いてください。
これも、職員室での「着任の挨拶」と同じで、数日経つ中でみなさんの立ち振る舞いで、子どもたちの印象は「自分色」に染まってきます。
自信を持って「地味な挨拶」をしてくださいね。
始業式挨拶のコツ
始業式(着任式)の挨拶は、基本的に体育館や講堂でマイクを通して話をします。なので、声の大きさは普通で良いです。
ただ、話すスピードには気をつけましょう。
特に小学校に勤務される方は、低学年でも聞き取れるよう「ゆっくり」「ハッキリ」話をすることを心がけてください。
あとは、先述の「着任挨拶」と同じです。
落ち着いて、仕草(動き)に気を付け、目線を誰を見るでもないところに置いて話ができれば問題ないでしょう。
学級開きの挨拶
最後に教室で行う「学級開きの挨拶」について考えていきましょう。
学級開きの挨拶内容(例文)
新任教師に求められる3つの挨拶の中で
です。
理由は簡単です。
相手がこれから1年間共に過ごす「子どもたち」だからです。
着任や始業式の挨拶とはひと味ちがう挨拶にするために、以下の要素を入れることをオススメします。
- ユーモア
- 子どもたちへのポジティブな印象や賞賛(ほめる)
- 担任としての指導方針
そして気を付けたいことは、以下の2点です。
- 長くなり過ぎない(2~3分程度)
- 一方的に話しすぎない(児童生徒が考えたり挙手で反応したりする間を取って双方向を意識)
例文をひとつ示したいところなのですが、残念ながら僕は「キッチリした学級開きの挨拶」はあまりしない人なんです。
では、どういう挨拶をしているのかと言いますと
はい!おはようございます!
今年1年、一緒に勉強することになった、担任の〇〇〇〇です。
・・・見渡す・・・
みんな、エライ賢くない?もしかして緊張してる?
え?してない?
うっそ~!?絶対してるって!こんなんおかしいやん!メッチャ賢いやん!おかしいって!(笑)
・・・間・・・
ていうかね・・・ぶっちゃけ先生は・・・緊張してる。
メッチャ緊張してんねん。
だから、詳しいことは今から配りものしたり、明日からの大切な連絡とか話してる間に、緊張が解けてきたら話します。
とにかく、楽しく、元気に、メリハリつけて頑張っていきましょう。
1年間よろしくお願いします。
みたいな感じで終わっちゃうんです。
黒板にも何も書きません・・・自分の名前すら書きません・・・。
で、学級開き当日も含めた「黄金の三日間+α」の間で、イロイロなタイミングを利用して話を積み重ねていくスタイルを取っています。
でもこれは長年積み重ねてきた経験の中で培ってきた自分に合ったスタイルです。
なので、あまりみなさんにオススメはできません。
正直、もっといい方法があると思うのですが、僕はこのスタイルがやり易いし、これからもこのスタイルで進める予定です。
新任教師のみなさんは、こういったマイナーなやり方ではなくて、まずはスタンダードなシッカリした挨拶を児童生徒に投げ掛けてあげてください。
個人的に「コレ良い具合に仕掛けがあっていいなあ・・・」と思っている挨拶を紹介しているブログ(他サイト)があります。
そちらを僕がみなさんにオススメしたい例文としてご紹介しておきます。
学級開き挨拶のコツ
学級開きの挨拶は、1年間生活を共にする子どもたちへの挨拶です。
と思ってもらえることが大切です。
そのために、気を付けたいことは先にも述べたことも含めてこの2つです。
- 一方的にならないよう「双方向」を意識する
- 子どもたち全員に「自分に言葉を投げかけられていること」を意識させる
「双方向」を意識する
まず
ということなのですが、これがイチバン他の2つの挨拶と違うところです。
一方的にならないようにするためには「双方向」を意識してください。
具体的には、教師からの挨拶の中で、子どもたちに問いを投げかけて挙手や発言、もしくは頭の中で反応する機会を持たせるようにしましょう。。
「自分に言葉を投げかけられていること」を意識させる
もうひとつ心がけたいことは
ことです。
先ほど述べた「問い」を子どもたちひとりひとりに直接投げかけて・・・では30人いたら30回投げかけなければなりません。
無理ですよね?
そこで大切にしたいのはズバリ!
です。
教室全体を見渡しながら、視線を学級の児童生徒全員に投げかけながら話をしましょう。
そうすれば、多くの子どもたちと目が合うはずです。
一瞬でも目があえばOKです。
1分なら1回ずつ、3分なら3回ずつ全員の子どもたちと目が合うように心がけてみてください。
それだけで子どもたちは
と感じ、気持ちを引き締めて話をきいてくれることでしょう。
新任教師の挨拶は場面に応じて効率良く準備しよう!
今回は、この4月から新任教師になる皆さんにとって、避けて通ることのできない「3つの挨拶」を準備するコツや考え方について、具体的な例文を交えてお伝えしました。
挨拶の準備は場面に応じて効率よく準備するべきです。
具体的には
です。
職員室や会議室で行う職員への「着任の挨拶」や、体育館や講堂で行われる「始業式(着任式)の挨拶」は無難に簡潔に準備も終わらせてしまいましょう。
そんな時間があるのであれば、本の1冊でも読んだほうがコスパが良いです。
この記事を読んだみなさんが、4月の教師人生のスタートを順調に切られることを願っています。
新学期、お互いに頑張って参りましょう!