今回は「教採予備校と独学」それぞれのメリット&デメリットと、それぞれの特質を活かす方法についてお伝えします。
教員採用試験の対策を進めるにあたって 「教採予備校を利用するか、独学で進めるか」 は、多くの受験生を悩ませるポイントですね。
教員採用試験を経験したときの筆者の経験や、当時の受験仲間の声などを基にまとめました。
どちらを選択するかを検討する材料になれば幸いです。
目次
「教採予備校と独学」どちらを選択しても合格できるが…
「教採予備校か独学」迷う人は少なくありませんが、現実は、どちらを選択した方であってもたくさん合格しています。
つまり
ということです。
ただ、受験生個々によってどちらが良いか・・・は変わってきます。
相性もありますし、選択した後にそれぞれの特性を理解して効果的に対策を進められるかどうかにもよります。
なので、「予備校」か「独学」かを選択する時は、「より良い選択」 ができるよう、慎重に考えて選択するべきです。
直観や他人の意見を鵜呑みにして、適当に選択するのは危険です。
ということで
みなさんがご自身で考えて決定するための参考になるよう「予備校と独学」のメリットとデメリットについてお伝えしていきますね。
教員採用試験 「教採予備校」のメリットとデメリット
まずは「教採予備校」のメリットとデメリットについてお伝えします。
「教採予備校」のメリット
教員採用試験の対策を進めるにあたって、教採予備校を活用する「メリット」は4つあります。
- 情報戦で有利に立てる
- 経験豊富な「講師やスタッフ」の存在
- 集中して勉強できる「自習室」の存在
- 多くの「受験仲間」の存在
このような メリットの数々を「受講料さえ支払えば手に入る」のが教採予備校の魅力です。
上手に活用すれば、間違いなく教員採用試験の合格率を100%に近づけることができることでしょう。
①情報戦で有利に立てる
教員採用試験は、受験校種や自治体によって試験科目、出題傾向、問題難易度などが違います。
そのような情報を時間やお金をできるだけ掛けずに入手することは大切なことです。
そして、教採予備校に通っていれば、自分の受験校種や自治体だけに絞った情報を簡単に入手できます。
さらに、教採予備校の校舎内にある「掲示板」は、常に最新情報で溢れています。中には学校講師や教育ボランティア募集などの求人情報もあります。
情報化社会の中で、ネット・新聞・ウワサなど、氾濫する情報を取捨選択し、自分に必要な情報だけに精査する。教採予備校はこの手間を自分の代わりにやってくれます。
これは予備校生にとって大きなメリットと言えます。
②経験豊富な講師やスタッフの存在
教採予備校には常駐している講師やスタッフがいます。
教採予備校に通っている受験生は、教員採用試験に関する疑問や不安を持った時は、彼らに質問をすればすぐに解決できます。
また、面接や模擬授業など、自分ひとりでは絶対にできない「客観的評価」を彼らが行ってくれます。また、教員採用試験の受験テクニックを含めたアドバイスをくれます。
これらも教採予備校ならではのメリットです。
③集中して勉強できる「自習室」の存在
多くの教採予備校では、空き教室を自習室として開放しています。
「自宅では勉強に集中できない」 という人にとって、教採予備校の自習室はとてもありがたい存在です。
自習室は教採予備校の校舎内にあるので、疑問や困ったことがあればすぐにスタッフに相談したり、自分で資料を調べたりして解決できます。
公立図書館は基本的に「自習禁止」です。
最近は自習ができる公立図書館も増えていますが、座席が限られています。
限られた座席は、毎日立場を同じくする人同士の争奪戦です。
そう考えると、安心して使える自習室の存在だけで予備校に通う価値があると言えるのではないでしょうか。
④「受験仲間」の存在
教員採用試験対策は長期戦です。
自分ひとりで対策を進める中で、モチベーションを維持するのは大変です。
しかし、教採予備校では「“教員採用試験合格”という同じ目標を持った仲間」が沢山います。
グチを言い合ったり、励まし合ったり、時には良きライバルとして切磋琢磨できます。また、数人の受験仲間と場馴れや実践を目的にした面接や集団討論などの自主練習もできます。
これらは絶対にひとりではできません。
教採予備校では、そのような「受験仲間」を簡単に手に入れることができます。
「教採予備校」のデメリット
次は、教採予備校のデメリットについて考えます。
教員採用試験の対策で、予備校を活用する上でのデメリットは
ということです。
教採予備校に通うには多額の資金が必要です。
今は時代の流れで、自分の受けたい講座だけを選択して受講できるので、比較的リーズナブルに通えるようです。
しかし、それでも簡単に捨てられるような安さではありません。
例えば「論作文講座だけの受講」であっても、スタッフへの相談、予備校にある書籍の利用、予備校から提供される情報、自習室の利用など・・・仮に 「使わない モノ」があったとしても、講座に掛かるコストが全て加算されているので、その分コスト高になります。
にもかかわらず・・・例えば講師やスタッフ。
何事も相性があるように、講師やスタッフと受験生にも相性があります。相性以前の問題で、性格に癖があったり、失礼な言い方ですが、役に立たない講師やスタッフがいるのも現実です。そんな時に、自分の判断だけで担当講師やスタッフを交代・・・とはいきません。
そして授業。
コース制などで 「複数講座をセット受講」 した場合、自分の得意分野に関する授業は受講せず、他の対策に時間を掛けたい・・・ということもあります。そうなると受講しない分の授業料は捨てたも同然となります。
また、相性の合わない講師の授業は聞いても分からないし、聞きたくもない・・・となると、受講したくない授業にお金を費やすことになります。コレはなかなかの痛手です。
そして受験仲間。
これも、なかなか難しいもので、たくさんいる予備校生の中で 、メンバーに恵まれないことがあります。
受験対策に集中できず、すぐ街中に繰り出そうと誘ってくる人。雑談しだすと必要以上に長い人。恋にうつつを抜かしてしまう人。そんな受験仲間がいる中でも、自分を持って勉強に集中できるかが、教員採用試験合格へのカギを握ることでしょう。
自習室も、他の予備校生による雑談やイヤホンから漏れてくる音で集中できない・・・なんてことがあります。
また、空き教室を自習室にしている予備校の場合、授業の都合で移動を強いられたり、一時的に空き教室が無くて自習室がなくなったりすることもあります。
予備校サービスを「取捨選択」する勇気を
しかし、教採予備校は基本的にビジネスでやっています。
自らの存続を賭けて受験生に役立つサービスを提供できなければ、その教採予備校淘汰されてしまいます。
なので教採予備校は全力で受験生に便利なサービスを追求しています。つまり 「予備校が全く使えない」ということは無いハズです。
結局は、教採予備校を使う人次第なのです。
もし、教採予備校入学前に体験入学、見学会、説明会などがあれば、ぜひ参加しましょう。校舎内の雰囲気、講師やスタッフの人柄など、体験入学程度で全ては分かりませんが、大きなヒントになるはずです。
そして、教採予備校に入学した後は「使えないモノ」を切り捨て、「使えるモノ」だけを使っていく勇気を持って予備校生活を送りましょう。
具体的には、以下のような行動を取る決意が必要です。
- ムダだと思う授業は受けない。
- 使えない自習室は使わない。
- 足を引っ張る仲間とは距離を取る。
- 使えないスタッフや講師は使わない。
そうすると、切り捨てた分だけお金がムダにってしまいます。
しかし「お金をムダいしたくなう」という理由で、自分にとって意味のないサービスを使い続けるコトは、「時間のムダ」につながってしまいます。
結果、教員採用試験の合格にはつながりません。
時には 「ムダになることを受け入れる」 決断が必要です。
要は、予備校にすべてを頼ろうとするのではなく 「使えるところだけ使ってやろうじゃないか」 というくらいの気持ちが、教員採用試験の合格につながる のです。
▼教員採用試験合格のために必要な考え方「ムダになることを受け入れる」ことについて、詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
教員採用試験「独学」のメリットとデメリット
次に、「独学」のメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
「独学」のメリット
「独学」のメリットは以下のことが挙げられます。
- 自分の特性や考え方に合わせた学習環境を自由に設定できる
- 必要に応じて効率よくコストを掛けられる
たった2つではありますが、これらのメリットは使い方次第でとてつもなく大きなメリットになり得ます。
①自分の特性や考え方に合わせた学習環境を自由に設定できる
独学は基本的に、学習スケジュールから使用する参考書、面接練習方法など、すべて自分で決められます。
予備校の場合、提供されるサービスは一定以上の品質は保証されます。しかし、それが自分に合ったサービスかどうかは保証されません。
例えば、自習室と情報提供の面では満足しても、面接対策の担当講師との相性や考え方が自分に合わない場合、その講師を変更することは難しいです。
また、テキストも基本的に予備校のカリキュラムに合わせたテキストを使います。そこに受験生の選択権はありません。
独学ではそれがすべて可能です。
自分の特性や考え方に合わせた最高の学習環境を自分で作っていける…これは、独学ならではのメリットと言えるでしょう。
②必要に応じて効率よくコストを掛けられる
先の「自由が利く」というメリットに似ていますが、自分が持つすべてのコストを、必要に応じて効果的に使うことができます。
例えば論作文対策を選ぶのに、「自由課題で添削してもらいたい」と思っていても、利用している教採予備校の添削サービスが「指定課題のみ」であれば、自分の勉強スタイルと合致しませんね。
しかし、独学であれば、どの添削サービスを受講するかは自分で選べます。自由課題で添削してもらえるサービスを自分で選択することもできます。
つまり独学生は、自分に合った勉強法を適切に選択し、どのケースにおいても効率が良く、満足度の高い試験対策を進めることができるのです。
「独学」のデメリット
独学することのデメリットは、以下のことが挙げられます。
- 自分で動かないと、正しく適切な情報を手に入れられない
- 相手や場所が必要な場合、確保に手間が掛かる
①自分で動かないと、正しく適切な情報を手に入れられない
教員採用試験対策を成功させるためには、「正しく適切な情報」がとても大切です。
独学で対策を進める場合はなおさらです。
教採予備校は、教員採用試験の合格に必要な情報を収集し、取捨選択をしてから受験生に提供します。
独学では、その作業を自分でしなければなりません。
情報を入手することをおろそかにして、以下のように対策を進めているようでは、教員採用試験の合格は遠のく一方だと考えるべきです。
- 自分の部屋でひとりで面接練習を繰り返す
- レビューを確認せず、直感で買った問題集を使い続ける
- 泳げるので、水泳実技について何も対策をしない
- 文を書くのが得意なので、論作文対策は自分で完結させる
- 実習先で上手くいったので、模擬授業対策はしない
- 受験自治体の傾向を調べずに、ひたすら勉強をする
②相手や場所が必要な場合、確保に手間が掛かる
教員採用試験は、自分の部屋で自分一人で対策を完結するのが難しい試験です。
- 個人・集団面接対策
- 集団討論対策
- 模擬授業対策
- 論作文対策
- 実技試験対策
については、自分を客観的に評価したり一緒に活動したりする人、それらの練習をする場所が必要になります。
教採予備校では、これらの準備のほとんどを教採予備校側が手配し、提供してくれます。
もちろん回数や人の選択に限りがありますが、準備する手間が省けることは事実です。独学ではそれらを自分で探し、確保しなければなりません。
自分で探し、確保することを敬遠して対策を進めているようでは、残念ながら教員採用試験の合格率は下がる一方だと考えるべきです。
「独学」でやるなら、主体的に自分で調べ、考え、行動する決意を
ひと昔前とはちがい、今は独学がとてもやりやすく、楽しくやれる時代です。
なぜなら、情報化が進むことで、個人でも教員採用試験に有益な情報を簡単に入手できるようになり、独学生が他の受験生と簡単に繋がって協力し合えるようになったからです。
そんな今の時代に 「独学で教員採用試験に合格するため」には、主体的に自分で調べ、考え、行動することが大切です。
主体的に自分で調べ、考え、行動できる人は、どのような課題を抱えようとも、課題を克服し、教員採用試験の合格に向けて前へ進むことができるハズです。
人間の性格や特性が10人10色であるように、対策方法も10人10色です。
他人がやってみて成功した方法をそのまま受け入れるのではなく、まず自分で調べ、考えて判断し、即行動することができれば、皆さんの教員採用試験の合格率を限りなく100%に近づけてくれることでしょう。
▼教員採用試験を独学で取り組むことの良さについて、もっと知りたい方はこちら
教員採用試験対策で「予備校か独学か」を正しく選択する方法…「自分で考えること」
独学と言っても、ひとりでやりきる必要はありません。
相手が必要なら相手を探して利用すればいいのです。
自分で考え、調べ、行動できれば、十分独学でもやっていけます。しかし、様々な理由でそれが出来ないから、多くの人が予備校を利用するのです。
合格するために教採予備校の力が必要だと考えるのであれば、遠慮なく利用するべきですし、自分が独学のほうが向いていると考えるの出れば、思い切って独学の道を選択するべきです。
まずは、自分がどちらに向いているのか、どちらを選択すべきなのか…を自分でじっくりと考えてみましょう。
教採予備校を利用するにしても、様々な予備校があり、予備校によって特徴が違います。単に「合格率が高いから」「ネットでナンバーワンと書かれていたから」という理由で選んでいるようだと、失敗する可能性が高まります。気を付けてください。
結局は、何を利用するにしても、自分で考えることが大切なのです。
みなさんが、悔いのない方法を選択され、夏の教員採用試験合格に向けて順調に歩まれることを願います。
がんばってください。
▼教採予備校をお探しの方は、こちらを参考にしてください。