この記事では、教員採用試験(教採)の対策を「いつから始めれば良いのか」について、その理由を含めてお伝えします。
目次
教員採用試験対策はいつから始めるべきなのか
教員採用試験(教採)対策をいつから始めるべきなのか。
なぜなら、受験生の経験値によって求められる努力量が変わるからです。
具体的には、今までの人生の中で、受験勉強、クラブ活動、習い事、仕事などで結果を出してきた人は「〇〇の対策は不要」というケースが出てきます。
例えば、高校受験でトップクラスの進学校に合格した経験のある受験生にとって「小学校全科」の対策は「思い出す」程度の対策で済みます。
その一方で、偏差値55あたりを下回る高校に進学した人の多くは、ガッツリと小学校全科に取り組まなければなりません。
また、教員採用試験対策にどれだけの時間を使えるのか…にもよっても「対策を始めるべき時期」は変わってきます。
そういった個別の事情を抜きにして、平均的な話をした場合
ところです。
これは、私自身も含めた教員採用試験の合格経験者や受験指導のプロの方々による意見の平均値です。
教員採用試験対策を早期にスタートさせるメリットとは?
教員採用試験(教採)対策をできるだけ早期に始める…できれば半年から1年前から始める…
こういう話はおそらくみなさんにとって想定内の返答だと思います。
その一方で「どうして早く始めたほうがいいのか」ということについては、当たり前すぎて冷静に考えたことのない方が多いのではないでしょうか。
しかし、この「どうして」の部分は、意外と教採対策を進める上で大切なエッセンスが詰まっています。
そこで、ガッツリと約9か月間ほとんどの時間を教員採用試験対策に費やして教採に合格した私が感じる「早期スタートのメリット」についてお伝えします。
教員採用試験を早期にスタートさせるメリットはこの4つだと考えます。
- 精神的に落ち着いて取り組める
- 対策の時間がたくさん取れる
- 弱点の補強に集中する期間が持てる
- 対策方法を試行錯誤する時間が持てる
① 精神的に落ち着いて教採対策に取り組める
教員採用試験(教採)対策を早くからスタートさせることで、精神的に落ち着いて取り組むことができます。
これは誰もが納得できる理由ですね。
現在の教員採用試験は小学校を中心に低倍率の合格しやすい試験だと言われています。
しかし、それでも落ちている人はたくさんいます。
そして、相変わらず「何度受験しても合格できない」という人もいます。
そういう現実を皆さんは知っているだけに、直前に始めると気持ちが焦ってきます。
しかも、教員採用試験って試験科目が結構多いので
専門科目をやらなければならない
教職教養もやらなければならない
個人面接も集団面接も集団討論も当然やらなければならない
実技・模擬授業・論作文も・・・
となると、何から始めるべきなのかが分からなくなり、地に足をつけて対策できなくなってしまいます。
そうならないために一番効果的なコトは「時間に余裕を持つこと」なんですよね。
教員採用試験のスタートはできるだけ早く始めて、精神的に落ち着いて取り組めるようにしましょう。
そうすれば対策効果が上がり、合格率もアップすることでしょう。
② 教採対策の時間がたくさん取れる
教員採用試験(教採)対策を早くに始めるメリットの2つ目が
教採対策の時間がたくさん取れる
ということです。
教員採用試験は、試験科目が多いだけでなく、それぞれに対策に時間のかかる試験対策が多いです。
典型的なのが
- 面接対策
- 論作文対策
- 集団討論対策
といった人物試験対策です。
例えば、面接試験で話をしますと、面接試験は基本的に以下の能力が必要とされると言われています。
- 話す能力
- 人物的な好感度
- 教育知識
- 教育観
- 現場感覚
でも残念なことにこれらはどれも、今日やって明日身に付くものではありません。
あくまで私の感覚ですが、必死にやっても2~3か月はかかります。
それ以外にも、教職教養や専門科目についてはもし今までの積み重ねが無ければ、それこそある程度の点数を取れるようになるまでに数か月の時間が必要です。
教員採用試験対策をする時間をシッカリと確保することは、合格するためには不可欠です。そのためにも、早くから対策をスタートさせることが大切なのです。
③ 弱点の補強に集中できる
人はだれしも「苦手なコト」ってあると思います。
そこでこれから教員採用試験の受験をする方に知っておいていただきたい「教採受験のコツ」があります。
それは
ということです。
つまり、弱点補強に集中する時間を持てるかどうかが、教採合格のカギを握るということなのです。
教員採用試験、特に小学校では、求められるレベルは高くなくても求められる要素はたくさんあります。
私が受験した時も
個人面接・集団面接・集団討論・模擬授業・マット運動・水泳・歌唱・楽器演奏・教職教養・一般教養・国語・数学・社会・理科・英語
という、のべ15種類もの試験を受けました。
これだけたくさんの試験があると、ほとんどの人は「苦手なモノ」が何かしらあるハズです。
苦手なモノはあなたの「弱点」です。
そして多くの人は、自分の弱点を放置し、弱点の穴埋めを得意科目でやってしまおうとします。
でも、その考えは不合格への第一歩です。
なぜなら、弱点をそのままにすると「足切り」に引っかかったり、弱点が足を引っ張って「集団の中から抜け出すことが難しくなる」から
です。
弱点は放置して得意科目で穴埋めをしようとするのではなく
という考え方で進めるべきです。
しかし、弱点を克服するには「苦手意識」があるために時間を要します。
その「時間」を確保するためにも、やっぱり教員採用試験対策のスタートは早いほうがいいんですよね。
ちなみに私も、とても苦手だった「数学」を克服するのに、ほぼ丸々2か月かかりました。
ほぼ2か月間、毎日欠かすことなく6時間以上、数学に取り組みました。
12月から始めたのですが、早くから対策を始めていてよかった…と今でも思っています。
④ 対策方法を試行錯誤する時間が持てる
そして、教員採用試験(教採)対策を早期にスタートさせるメリットの4つめは「対策方法を試行錯誤する時間が持てる」ということです。
言い換えると
ということです。
教員採用試験の対策方法は、それぞれの試験科目ごとにたくさんあります。
例えば
- 予備校に行くのか?独学で進めるのか?通信教育で対応するのか?
- 参考書はセサミノートか?ランナーか?30日完成か?
- またはノートタイプを使うのか?参考書タイプを使うのか?
- 暗記科目についてはどのようにして覚えるのか?
などなど、対策の仕方ってイロイロあるのですが、みなさん自分に一番合った方法でやりたいですよね?
そこで問題になるのは
ということなんです。
で、とりあえず手に取ったものや直感でコレと信じたものを始めてみても、
と不安になって集中して取り組めなくなってしまう人いますよね。
この状態になると、間違いなく勉強の効率は下がります。
なので、そうならないためにオススメしたいのは
なんですよね。
どうしても隣の芝が青く見えて、何をやっても自分のやっているコトに自信を持てない方は、イロイロと試行錯誤することをオススメします。
試行錯誤するのに必要な時間とお金がムダに感じる方もいるでしょう。
しかし、それはムダではなくて必要なコストだと思ってください。
例えば、教職教養の教材で「ランナー」から始まり・・・イロイロやってみて、結局「ランナー」に戻ってしまうかもしれません。
しかし、イロイロとやてみて「ランナー」に戻ってきたのであれば
という自信ができますよね。
そうなんです。
試行錯誤した上での結論には「自信」がついてくるんです。
この自信があれば隣の芝が青く見えなくなって、集中して教採対策に取り組むことができます。
予備校も試行錯誤の対象
極端な話、予備校に通おうかどうか迷っていたら一度通ってみたらいいと思います。
そして、自分に授業は要らないと思ったら授業は出なければいいのです。そして、自分に合った自習室だけを使ったらいいのではないでしょうか。
通信教育が気になったら、取ってみたらいいと思います。
もちろん、通信教育を取ったからと言って、送られた来た教材を全部使う必要はありません。
その通信教育の中で使えるものだけ使えばいいのではないでしょうか。
もし12月までにイロイロと試行錯誤して
教職教養はコレ!
専門科目はコレ!
面接はコレ!
論作文はコレ!
というふうに、対策の方向性が決まっていれば、残りの8か月は迷うことなく進むだけです。
教採対策を早くスタートさせる意義は、こういうところにもあるんだということを知っておいていただきたいです。
「脳科学」を論拠にした勉強法・習慣術も・・・
対策方法を考える上で、脳科学を論拠に幅広く活用されている勉強法や習慣術についても試行錯誤して取り組んでみる価値があります。
- 朝は軽く外を散歩してから頭を使う対策をし、朝食はひといきついてからバナナとナッツ。
- 休憩時間は5分間アイマスクで目を覆ってリラックス。
- 1日7時間は絶対に寝る。
といった、学習効率を高める方法について
と思う方は、コチラの記事も参考にしてみてください。
早いうちに学んで、自分に合った方法を取り入れてみればきっと学習効率アップにつながるハズです。
教員採用試験対策はいつから始める?できるだけ早いほうが良いに決まってる!
今回は、これから教員採用試験の受験対策を始める方々に向けて「いつから始めるべきなのか」という問いに、理由を含めて答えてみました。
ただ、この「いつから始めるべきなのか」については、受験生がその時々持っている能力や環境といった特性によって大きく変わってきます。
講師をされがら対策を進めなければならない人もいるでしょう。
通信課程で免許取得のための勉強と並行して対策を進めなければならない方もいるでしょう。
初めての受験で右も左も分からない方もいるでしょう。
様々な受験生がいる中で、少なくとも言えることは「少しでも早いほうが良い」ということです。
本記事を読まれたこの今から、教員採用試験対策をぜひスタートさせてください。
そして、来夏の教員採用試験で合格を勝ち取ってくださいね。
応援しています。
最後にひとこと
教採受験が初めて…などの理由で、教員採用試験の進め方がよく分からない方は、教採受験者を対象にした月刊誌を読んでみてもいいかもしれません。
現在は下記の「教員採用セミナー:時事通信社」と「教職課程:協同出版社」の2誌あります。
どちらも1年間掛けて、教員採用試験について必要な時期に必要な情報を提供する内容になっていますので、ペースメーカとーとして利用してみるのもアリだと思います。