【教員採用試験】直前だ!時間がない!…「逆転合格」を実現させる3つのポイント

教員採用試験「その他」

この記事は以下のような方を対象に、教員採用試験の「逆転合格」を狙うために取り組むべき優先順位や考え方についてお伝えします。

  • ブラックレベルの職場で働きながらの受験で準備時間が殆ど取れない方
  • 本番直前(1ヶ月ほど前)だけど殆ど準備ができていない方
  • 今年の最終合格はともかく、1次合格はして来年度の1次免除を狙う方

教員採用試験、特に小学校や中学の理数系はどの自治体も倍率が低くなっています。

つまり、直前まで対策をしていなかった人にも「逆転合格」のチャンスはあるのです。

モチロン「逆転合格」のためには「運」も必要です。

しかし「運」が巡ってきても、自分に力がなさ過ぎれば合格できません。

たとえ時間が無くても・・・たとえ直前で準備ができていなくても・・・少しでも合格に近づくために、逆転合格に必要な「やるべきこと」や「考え方」について、筆者の受験経験と他の合格者からの経験談から感じたことを参考にまとめた結論をお伝えします。

ぜひ参考にしていただき、教員採用試験での「逆転合格」を実現させてください。

ポイント① 完璧を目指さず50~75点あたりを目指そう

対策に使う時間がない人や直前で準備不足の方が、教員採用試験で逆転合格を目指すために必要なこと。

それは、完璧を目指さずに

各試験科目で50~70点あたりをコンスタントに取れるようになるための準備

を心掛けることです。

全試験科目で、おおよそ6割=60点を確保するイメージです。

なぜなら

  • 売り手市場の自治体では「合格ライン」が信じられない程低い場合がある
  • 教員採用試験は足切りがある

からです。

6割は「低い」と思うかもしれませんが、現在の「売り手市場」の教員採用試験であれば、5割程度でも合格できる可能性があります。

以下に詳しく説明します。

 

売り手市場の自治体では「合格ライン」が信じられない程低い

教員採用試験の全体的な難易度は、他の公務員試験に例えると「国家二種試験」や「地方上級試験」レベルと言われています。

しかし、近年…特に小学校や中学の理数系を中心に、多くの自治体で倍率が低くなり、合格しやすい「売り手市場」の状況が続いています。

例えば、平成29年度での自治体全体の平均倍率でみると

  • 3.4倍・・・富山県
  • 3.8倍・・・広島県・広島市、茨城県
  • 3.9倍・・・静岡市
  • 4.0倍・・・山口県、愛媛県、川崎市

さらに、非常に倍率が低くなっていると言われている小学校に限定すると

  • 2.3倍 富山県、広島県・広島市、高知県
  • 2.4倍 福岡県、和歌山県

と、受験生2~3人に1人が合格してしまう自治体が少なくないのです。

参考:文部科学省HP・平成29年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について

そして、これらのような競争率が3倍前後以下の自治体の合格ラインは、おおよそ60%程度、もしくはそれ以下と言われています。

私が受験した当時も関西の某府で筆記試験が自己採点40%程度(倍率2倍台)で合格している人が数人いました。

そう考えると、平均で60点程度を取ることができれば十分に合格の可能性があると考えることができます。

教採対策に使う時間がなくても、直前で準備不足であっても、絶対に諦めてはいけないのです。

 

教員採用試験は足切りがある

教員採用試験では、複数の試験科目の総合点で合否の判定をします。

しかし

特定の試験で極端に点数が低い場合は、総合点がボーダーを超えていても不合格になる

ことがあります。

これが「足切り」と言われる制度です。

例えば受験校種が小学校の場合、実技試験が全くできなかった場合は他の科目がどれだけできていても「不合格」になる場合があります。

つまり、特定の科目で突出した点数を取って苦手科目のをカバーをするよりも、全ての試験で足切りのボーダーをクリアすることのほうが大切なのです。

なので、教員採用試験で合格するためには、特定の科目で高得点を目指すよりも、どの試験科目も60点(50~70点)あたりが取れるようにして足切りに引っかからないことを心がけましょう。

ポイント② 受験自治体の試験内容に応じて優先順位を決めよう

対策に使う時間がない方や、直前で準備不足の方が、教員採用試験で「逆転合格」を狙うためには「要領」がとても大切です。

だいぶつ
運も大切ですが・・・

要領を得るための手段は沢山ありますが、誰にでもできることで大切な事は

受験自治体の試験内容を確認して、対策をする優先順位を決めること

ではないでしょうか。

主に以下のような点を確認することが大切です。

  • 試験日程
  • 各段階の試験科目(内容)
  • 配点

例えば、1次試験で課される試験が「教職教養」のみであれば、1次試験までに最も力を入れるべきなのは「教職教養」ですね。

また、同様に1次試験で課される試験が「教職教養」のみで

受験生A
今年は1次試験突破を最優先にし、来年度の試験で1次免除を確保して2次試験対策に集中する!

と2年計画で臨む場合は、それこそ「教職教養」1本に絞って徹底的に対策をすればいいのです。

また、各試験ごとの配点のバランスも考えるようにしましょう。

もし、みなさんの力が試験ごとにバランスが取れていて(平均的で)、実技も含めて「足切り」に引っかかることが無さそうであれば、以下のような試験科目に注力して準備を進めてみると良いでしょう。

  • 配点の割合が高い
  • 自分に伸びシロがある(苦手科目である)
  • 短期間で力を伸ばせそう(自分との相性)

ここで最も大切なのは

できるだけ苦手で伸びシロのある科目に注力する

ことです。

人間はどうしても「得意科目」で勝負するために、得意科目に注力してしまいがちです。

100点満点中80点を100点にするのと、20点を50点にするのであれば、おそらく後者のほうが楽であり、点数も伸ばせるハズです。

自分の好みや取り組みやすさではなく、勝負に徹して「要領よく」合格ラインを突破できるよう、優先順位を決めて取り組むことが大切です。

ポイント③ 各試験科目で「逆転合格」に必要なポイント

それでは、各試験科目に絞って「逆転合格」するために最低限必要なコト、要領良く合格ラインまで自分の力を近づけるためのコツについてご紹介します。

参考にしてもらえたら幸いです。

対策に使う時間がなくても、直前で準備不足であっても、絶対に諦めてはいけませんよ!

 

「筆記試験」

逆転合格を狙って「筆記試験」の対策を進める際に大切なコトは

新たな問題集や参考書に取り組むのではなく

今まで使ってきて慣れている問題集や参考書に取り組む

ということです。

特に、今までの努力にもかかわらず仕上がりがイマイチだったり、一発逆転を狙って神にもすがる思いで新しい参考書や問題集を手に入れる人がいます。

万が一でヒットする場合もありますが、ほとんどのケースが新しくて使い慣れていない参考書や問題集で非効率な時間を過ごしてしまい、良い結果につながらないケースがほとんどです。

 

もし、今まで全く対策をしておらず「直前期にスタートする」ということであれば

効率重視で編集されたひとつの参考書や問題集に集中すること

をオススメします。

先にも伝えましたが、準備不足で「逆転合格」を狙うのであれば50~70点あたりを確実に取れるようにすべきです。
そこで

  • 自治体の過去の傾向などから出題が予想される「頻出事項」
  • その時々の社会情勢から出題が予想される「トレンド事項」

を確実に押さえましょう。

効率良く逆転合格の可能性をアップさせることができます。

そこで使えるのは

効率重視で編集された参考書や問題集

です。

常識的に、よほど競争率が高くて受験生の中で差をつけさせるべき試験でなければ、試験問題の内容は頻出事項を中心に構成されます。

高得点を狙うのであれば出題率の低い分野まで押さえるべきですが、時間がない・・・または直前なのに準備ができていない方にそんな余裕はないはずです。

ダメ元で少しでも効率的に合格率をアップさせたいのではれば、出題率の高い頻出事項を中心に押さえた「効率重視で編集された参考書や問題集」に集中して取り組みましょう。

 

個人的に、私が今「準備不足の受験生」であれば使うであろう教材を「参考書・問題集」と「過去問題集」と1冊ずつご紹介しておきます。

教員採用試験「教職教養」らくらくマスター(実務教育出版)

教員採用試験で問われる重要ポイントが短期間で覚えられる!予備知識がなくても理解できるように工夫された要点整理集。教育原理、教育史、教育法規、教育心理の4科目をカバー。2017・2018年に公示された新小学校学習指導要領、新中学校学習指導要領、新高等学校学習指導要領、新特別支援学校学習指導要領に対応

Amazon.comより引用

このシリーズは出題されやすい分野を中心に対策を進められるように工夫・編集がされています。

具体的には

 

  • 分野別で頻出具合を「重要度」としてA~Cの三段階で表示
  • さらに「時間が無い時にコレだけはやっとけ!」という意味で、最頻出項目に時計マークの表示
  • 覚えるべき項目が朱書きされているので、書き込み時間不要。
  • 赤シートがついているので、購入後即学習可能。

 

といった特徴があります。

なので、ホントに崖っぷちからの逆転を狙う人には、覚えるべきところとそうでないところを線引きされた状態からスタートできる、効率重視の参考書・問題集だと言えます。

 

教員採用試験「教職教養」よく出る過去問224

取り急ぎ、過去問で実戦力を養いたいが、全国過去問を北から順に解く時間はない…

という方にお勧めなのが、この「よく出る過去問224」です。

特徴としては

  • 分野別に過去問題を「繰り返し出題されている典型問題」を中心に224題に絞って編集してくれているので、自分の弱点や自治体の傾向に合わせた対策がしやすい。
  • 過去5年間の全国の自治体の出題頻度表がつているので、分野別で対策の優先順位をつけられる。

といった点が挙げられます。

時間が無ければ、この問題集で出題されてい224題全て解かなくても良いのです。

受験予定の自治体が「毎年出題している分野のみ」の問題にあたってみる・・・それだけでも、短時間でできる対策としては相当の効果が期待できるはずです。

先にご紹介した「教職教養らくらくマスター」の姉妹書なので、併用して使われるのも良いでしょう。

 

「実技試験」

実技試験は

極端にできていない場合のみ、人並みにできるように練習

をしましょう。

実技試験は、上手さより基本を押さえるコトが大切です。

特に小学校受験者の実技は、ハイレベルなモノを見せても、人並みなモノを見せても大して評価は変わらないと考えてください。

大切なことは「子供たちに教える際に手本となりうる実技を見せられるか」です。そのためには「正しい方法」を調べ、それが確実に実践できるように練習をしましょう。

演技のレベルは人並みで「良し」としましょう。

決して、人並み以上の目を見張るような演技を目指す必要はありません。

 

「論作文・小論文試験」

教員採用試験の論作文・小論文は他の作文試験と比べるとかなりクセのある試験です。

逆に考えると「対策がしやすい」と言うことができます。

教員採用試験の論作文・小論文の対策については、以下の3点を早急に押さえましょう。

  1. 文章展開や構成の王道を押さえる
  2. 文末を統一させる
  3. 理想論でなく現実論を述べる

特に時間がない場合でも、最低1と2は習得しておきたいです。

3については「理想論ではなく現実論を述べるべき」という方向性だけはシッカリと押さえて、あとは自分が書ける課題が課されることを待つ…つまり、運に任せるしかないでしょう。

時間があれば、書ける課題を増やすために「教師の疑似体験」を増やす機会を持ちましょう。

ここで言う疑似体験とは

教育雑誌、論作文例、面接の模範解答、自治体が後悔している対応マニュアルなどの乱読

のことです。

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「面接・討論試験」

面接や討論などの人物試験対策で押さえておきたいことは

  • 実戦・実戦…とにかく実戦練習
  • エントリーシートで書いたコトに対する質問への答えを深める

の2点です。

これら人物試験は、教員採用試験を突破するためにはとてつもなく重要ですが、その分対策にも時間がかかります。

時間の無い中で少しでも合格率を高めたいのであれば、先の2点を重視することをお勧めします。

とにかく実戦練習

教員採用試験の人物試験は、個人面接・集団面接・集団討論がありますが、もっとも汎用性がある(つぶしが効く)のは集団面接です。

集団面接の実戦練習で以下のことを鍛えることができれば、他の人物試験にも応用できる点があります。

  • 質問に対して端的に返答する
  • 質問に対する答えは結論から述べる
  • 他の受験生との協調を意識する
  • 自分の教育観と関連させた返答をする

 

エントリーシートで書いたコトに対する質問への答えを深める

エントリーシートに書いたことは「自分のPRポイント」なハズです。

そのエントリーシートに書いたことを中心に、質問を想定した答えはある程度準備しておきましょう。

もし面接がうまくいかなくても「自分のPRポイント」に関するコトがシッカリ話せていれば、相手の印象に残る可能性が高くなります。

例えば

質問の多くににボランティア活動の経験と結び付けて話をした受験生

何だかイロイロなことを話してきたけど、良くわからない受験生

であれば、絶対に前者のほうが有利です。

面接や討論の課題は星の数ほどもなくても多数あります。

どれだけ準備しても「予想外」の質問は必ず受けるわけなので、せめて自分の守備範囲の質問だけでもキッチリと打ち返せるように、できる限りの準備をしましょう。

理想は

質問の5~6割以上を自分のPRポイントと結び付けて語れるコト

です。

例えば

「10年間取り組んできたサッカーの活動で得た経験を生かしていきたい」とエントリーシートに書いている場合、面接での質問の返答に「サッカーでの活動経験」が出てこないのは頂けません。

せっかく「サッカーの活動経験」をPRしたわけですから、できるだけ多くの質問をサッカーでの活動と結び付けて語るべきです。

もう直前期になれば、エントリーシートの変更はできないわけですから、エントリーシートに書き込んだ自己PRポイントを中心にシッカリと考えを深めておきましょう。

もし、エントリーシートに自己PRを書き込むところが無かったり、試験当日に記入するケースであれば、今からでも遅くありません。

シッカリと自己分析を進めて、自分に合った「自己PRポイント」を設定するように準備しましょう2018。

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教員採用試験「個人・集団面接&集団討論」人物試験入門マニュアルアイキャッチ

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「模擬授業」

模擬授業は、以下の5つを徹底的に意識できるようにしましょう。

  • 必ず板書を書く
  • 字は手のひら大、必ずチョークは2色使う
  • 導入→展開→終末のパターンを守る
  • 導入に時間を掛けすぎなければ、展開でタイムオーバーも無問題
  • 演技であることを強く意識する

時間の無い中で模擬授業までをカバーするのはかなり難しいと思われます。

動画サイトなどで、模擬授業の見本を観て最低でも模擬授業そのものをイメージできるようにしましょう。

そして、ひとり練習でも構わないので3回は実戦練習をしておきましょう。

まとめ:時間がない、直前だ…それでも冷静にあきらめずにひたすら前進!

以上、対策に使う時間がなかったり、直前で準備不足であったりする方々が、教員採用試験で「逆転合格」教員採用試験で「逆転合格」を狙うためのポイントをご紹介しました。

ココに書かれている事がすべてではありませんし、他にも方法はあるハズです。

どれを選ぶかは皆さん次第ですが、迷っている暇はありません。

「逆転合格」するために最も必要な事は

冷静に、最後まで絶対にあきらめずにひたすら前進するコト

です。

迷わずに、コレだ!と思ったことを信じてやる。

そして

受験生
やるべきことを全力でやって、あとは運に任せる!

そんな強い気持ちで、教員採用試験本番に臨んで下さい。

それだけで、合格率が10%はアップするはずです。

対策に使う時間がなくても、直前で準備不足であっても、絶対に諦めてはいけませんよ!

頑張ってくださいね。